10-4-99(Mon.)

Selamat Jalan ke SEPANG
-旅先で役立つかもしれないマレー語・付け焼き刃講座(1)-


 セパン・インターナショナル・サーキットは、SICちうのね。マレーシアGPへ行かれる知り合いに訊ねられたので、カンタンなマレー語講座なんぞを書いてみようと思いましたが、セパンて随分空港から近いんですね。使う機会がないかもしれないので、まずはその他の予習としてセパンGPオフィシャルサイトもご覧になることをお薦めします。あ〜んど、ココでご紹介するのは正しいマレーシア語とは少々違います。スパルタで言葉を憶えるためではなく、最低限の会話で乗り切るアンチョコだと思って頂けると嬉しいです。



【基本はSelamat】
 まず挨拶は全て「Selamat(スラマッ)」で始まると覚えてください。1日はSelamatに始まりSelamatに終わります。スペルを見るとつい「セラマト」とか「スラマト」と発音してしまいそうですが、「t」は発音しません。続く単語までのスタッカートのような役割をします。以下はSelamatに続けて使われる単語たちです。


朝=Pagi(パギ)
昼、日=hari(ハリ)
夕方=petang(プタ
夜、晩=malam(マラ〜
寝る=tidur(ティドゥ〜
飲む=minun(ミヌン)
食べる=makam(マカン)
お出掛け=jalan(ジャラン)
旅立ち=tingal(ティンガ


 「Selamt〜」は英語でいうところの「Good〜」と似た意味なので、Selamat+名詞または動詞でかなりの挨拶はカバー出来ます。まず彼の地に降り立って、最初に目にするであろう挨拶は空港の到着ロビーに書かれた「Selamat datan ke 〜」という言葉です。これは「Welcome to〜」の意なので、旅行者が使うことはないでしょう。「datang(ダタン)」は到着とか訪問、「ke(ク)」は英語の「to」と同じ。よって表題の「Selamat Jalan ke SEPANG」は、日本語にするとヘンだけど「セパンへ行ってらしゃ〜い」てことになります。

 Selamatシリーズで一番使いそうなのが、「Selamat pagi(スラマッ・パギ〜=おはようございます)」。朝起きたら、まず「Selamat pagi」です。親しくなってくると「Pagi!(おはよう)」だけで挨拶されたりしますので、状況に応じて使い分けてみてください。だいたいは言われたとおりにオウム返ししていれば、相手とトーンがズレることはありません。英語でチェックインしたホテルでも、これを言うのと言わないのでは従業員の態度が全然違うので、ぜひお試しください。



【お昼の挨拶】
 お昼の挨拶も、Selamat+名詞の法則でおっけーです。モノの本などを見てみますと、「こんにちは」は「Selamat tengahari(スラマッ・トゥンガハリ)」と書かれていますが、これはたぶん標準語。つまり、ちと堅い言い方です。hari(ハリ)=昼ですから、日中の挨拶は「Selamat hari(スラマッ・ハリ)」で通じます。こっちのが憶えやすいでしょ?

 私が聞きかじったのは殆どバリ島のインドネシア語なので、もしかしたらマレーシアではそんなに一般的ではないかもしれませんが、これで通じなかったことはないです。昼間の挨拶も基本はオウム返しですが、周りのネイティブを観察してみてください。朝の「Pagi!」と同じように、昼間は「Hari!(こんちわ〜)」と挨拶している人々がいます。ちょっと気取った場所で、慇懃なボーイさんなどが「Selamat tengahari(スラマッ・トゥンガハリ)」と言ってきたら、聞こえたとおりにお返事してみてください。相手がヒマだったら、発音がヘンなときは直してくれますので、キレイな発音が知りたいときは便利です。



【お出掛けの挨拶】
 次によく耳にするのが「Selamat jalan(スラマッ・ジャラ〜ン)」です。旅行本には「さようなら」と書いてあったりしますが、これは旅行者が使うことは殆どないです。意味は日本語の「行ってらっしゃい」とほぼ同じ。ほぼというのは、もう少し詳しい本を見ると「しばらく会えない人、または旅立つ人への挨拶」となっています。これはちょっと違うと思うな。夜また同じホテルに帰ってくるのに、朝お出掛けする時にも従業員は「Selamat jalan」と言います。 英語には「行ってらっしゃい」に相当する言い回しがないので、英語に置き換えるのは困難ですが、「行ってらっしゃいませ」「お気を付けてお出掛けください」くらいの言い方だと思います。

 お散歩程度のお出掛けに言われたら、お返事は「Terima kashi(テェリマカシ=ありがとう)」で十分でしょう。帰国の途につくとき、あるいは次の目的地へ移動してもうそこへは戻らないときは、「Selamt Tingal(スラマッ・ティンガ)」と言います。こちらが日本語で言うところの「さようなら」。

 もっと親しい間柄では、「Sampai jumpa lagi(サンパイ・ジュンパ(ィ)・ラギィ)」とも言います。これは英語の「See you again」にあたります。省略形はどこの国にも存在するもので、「じゃあね」や「See you!」に相当する言い回しは、「Jumpa Lagi!(ジュンパ(ィ)・ラギィ)」または単に「Lagi!(ラギィ)」と言います。これらの砕けたい言い回しは、1ヶ月以上安宿に長逗留する人以外はあまり要らないとは思いますが、毎朝ビーチやサーキットへお出掛けするときに「Selamat jalan」と言われたら、お返事は「Lagi!」でもいいと思います。


 外国語なのですから間違えても恥ではないですが、時と場合によって「See you again」と言いたいのか、「Good bye」と言いたいのかで使い分けられれば完璧です。いよいよ彼の地を後にして旅立つとき、お見送りのみなさまが「Selamt jalan」と言った場合は「道中お気を付けて」という意味ですから、お世話になった方々には「Terima kashi banyak(テェリマカシ・バニャッ=どうもありがとうございました)」か、「Sampai jumpa lagi(サンパイ・ジュンパ(ィ)・ラギィ=またいつか来るからね)」の方が、より感謝の意が伝わります。一方飛行機を降りるときや、道を訊ねただけの人に「Selamat jalan」と言われたら、「Selamat tingal(スラマッ・ティンガ=さようなら)」で良いと思います。



【夕方以降の挨拶】
「Selamat malam(スラマッ・マラ〜=こんばんは)」「Selamat tidur(スラマッ・ティドゥ〜=おやすみなさい)」は、どちらも主に夜使われる挨拶ですが、「tidur」は夜とは限りません。お昼寝でも「Selamat tidur」ですし、英語の「Have a nice dream」と全く同じ使われ方です。tidur(ティドゥ〜)=寝るですから、「Saya tidur」と言えば「みなさまおやすみなさい」ではなく「私は寝ます」になりますし、「tidur」だけでも「眠い」という意味になります。

 一方「Selamat malam」は、malam(マラ〜)=夜ですから、こちらは日没後にしか使いません。意味は、英語の「Good eveing」と「Good night」の両方あります。夜出会った人にも言いますし、夜帰るときにも使います。「Have a good night」が一番近いかな。分からなかったら、全部「Selamat malam」で大丈夫です。

 ただ「Selamat tidur」も、憶えておいたほうが便利なこともあるんです。たとえば大盛り上がりの宴席で、中座のきっかけを失ってしまったら「Selamat tidur」と言って退散すれば、とってもスマート。「そろそろおいとましなくては・・・」よりも、「おやすみなさ〜い」のほうが引き留めにくいでしょ。どう使い分けるかは、日本語と同じ考え方で良いと思います。

 応用編としては、もう1歩踏み込んで「Selamat malam」と「Selamat tidur」の区別ができればバッチリです。もう晩ご飯も済んで、あとは部屋に戻るだけなんていうときに、ボーイさんが「Selamat tidur」と言ってくる場合もあります。あるいは夜お店を出るときに「Selamat tidur」と言われたりします。でもお店はまだ営業時間とか、相手はまだこれから働くだろうなというときは、お返事は「Selamat tidur(おやすみなさ〜い)」のオウム返しより、「Selamat malam(幸運な夜を)」のほうが、より親切なお返事になります。さよう、Selamatとは自分のための表現ではなく、相手のためのお言葉なのです。

 一番難しいのが夕方の挨拶。「夕暮れ時」というアバウトな設定なので、使える時間帯は1時間から1時間半。空が黄昏てきたころから、屋外でも電気をつけないとそろそろ字が読めないかな、くらいの時間帯にのみ使います。「夕方」はpetang(プタですが、インドネシア語の「sole(ソレ)」でも通じます。Selamat sole!(スラマッソ〜レ)のほうが覚えやすいですしね。これはラティーノ・ヒスパニック世界のsoleと同じ語源。暮れゆく太陽に幸福を!=だから日暮れどきの挨拶なんです。多神教のおだやかな感性がよく現われている、素敵な表現でしょ? これが上手に使えると「ほぉ」と感心されたりします。トライ&エラーで、がんばってください。



【飲食の挨拶】
 「いただきます」も英語にはない表現だから、聞き出すのに苦労しました。聞いてみたらなんのことはない「Selamat+makan(食べる)」という、まんまの表現であった。な〜んだ。この「Selamat makan(スラマッ・マカン)」は日本語の「召し上がれ」と「いただきます」の両方をカバーしています。調理した人が「Selamat makan」と言えば「どうぞ召し上がれ」だし、食事の前に誰に言うともなく発する場合もあります。この場合は、五穀豊穰の神様、または森羅万象の神様に、美味しく食事が出来ることを感謝しているのだそう。つまり、日本語の「いただきます」と同じなんですね。「いってらっしゃい」や「いただきます」がある言語は、なんとなくメンタルな部分で共感出来るから、好きな言葉です。

 そして酒飲みのみなさん、お待たせしました。乾杯のご挨拶です。原理は「いただきます」と同じ。「Selamat+minun(飲む)」で「かんぱ〜いっ」になります。makanとminunは動詞でもあり、名詞でもある。どっちがどっちだか混乱したら、英語併記のメニューを見てみると良いでしょう。「Meal」の欄には「Makan(マカン=食事)」、「Drink」の欄には「Minum(ミヌン=飲み物)」と表記されているので、そのうち覚えます。



さて挨拶を憶えたら、次回は超カンタンな会話編にまいります。


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