10-5-99(Tue.)

Selamat Jalan ke SEPANG
-旅先で役立つかもしれないマレー語・付け焼き刃講座(2)-


 旅の本に載っている会話は、どうして質問文しかないのだろう?とお思いのあなた。そうなんです。質問を発しても答えの意味が分からなければ、結局英語で聞くハメになったりします。そこで今回は、相手に言われそうな言葉と、実際に旅先でよく遭遇するマレー語を取り上げてみました。

【便利な2回繰り返し】
 太平洋沿いの南国では、音を重ねると強調の意味になるものがいくつかあります。マレー語も例外ではありません。Pagi(朝)を2つ重ねると「pagi pagi(パギパギ=早朝)」になります。日本語でも「未明」という言い方がありますが、これは日の出前の空が薄明るくなってきたくらいの時間帯です。とはいえ南国の朝は早いので、5時半程度ではみんな起きていたりします。人がゾロゾロ動きだしたら、「pagi pagi」とは言いません。ただの「pagi」です。大深夜はなんて言うのだろうと思ったけど、「malam malam(マラ〜マラ〜)」とは言わないようですね。

 憶えておきたい単語としては、「hati(ハティ=危ない)」もあります。これもとっさの時に「あぶな〜いっ」と叫んだり、工事現場の「Danger」に相当するところには、「Hati Hati」と書かれています。誰かに「Hati Hati ya !」と叫ばれたら、バイクが突っ込んでくるのに気付かずに往来につっ立っていたとか、側溝に落ちそうになっているのにボケッとしていた時などですから、周囲に気を付けてみてください。



【バイクは元気】
 さて、「Selamat pagi(おはようございます)」と「Selamat hari(こんにちは)」を覚えたら、もう少し踏み込んだ挨拶があります。英語でいうところの「How are you?」に当たるのがそれです。毎日挨拶していると、「Selamat pagi」に続けて「Apa khabar?(アパ カバール=ご機嫌いかが?)」と言われるときがあります。一般的なお答えとしては、「Biki bike saja(バイク バイク サジャ=大変良いです)」一辺倒で良いと思います。 bike(バイク)=元気ですから、2回繰り返せば「大元気」です。

 慣れてきたら、「Bagus!(バグース=絶好調)」なんてお返事でも良いでしょう。「Bagus(バグース)」は「素晴らしい」とか「最高」という意味ですから、美しい景色や美味しい料理、見事な絵画を見たときなどにも応用できますので、覚えておくと便利な単語です。人間ですから、もちろん毎日絶好調なわけではありませんが、英語の「Not so fine」に当たる「Tidak bagus(ティダ バグース=あまり良くない)」や「buruk(ブルッ=ひどい、最低)」と答えると、「Apa? Apa?(なんでなんで?)」などと畳み掛けられるので、多少お腹を壊していようが寝不足だろうが「Bike!(元気)」で通したほうが無難でしょう。

 khabar=最近、状況、状態ですから、尻上がりに「Apa khabar?」と言われたら「元気ですか?」「調子はどうですか?」になりますが、「Apa khabar」と語尾を上げずに言われたら、「はじめまして」の意味になります。英語の「How do you do?」も日本語では「はじめまして」と訳されますが、直訳的に考えると「ご機嫌うるわしゅう」なんて意味になるので、ニュアンス的にはこっちのほうが近いです。内容は全く同じ「ご機嫌いかがですか?」ですが、初対面の人に鄭重に言われたら、お返事は「Apa khabar」でおっけーです。



【サヤは自分でアンダはあなた】
 saya(サヤ)=私は、selamatシリーズに続いてよく耳にする単語です。日本語では「私は〜」「あなたは〜」が省略されることが多いですが、英語で考えた文章をマレー語に置き換えると、すんなり使えます。たとえば、「Apa khabar?」に対して「Saya bike(サヤ バイク)」と言えば、英語の「I'm fine(私は元気です)」と同じ意味になります。

 相手の呼び方は、anda(アンダ)=あなたです。これも英語のyouが出てきそうなところには、同じ要領で使えます。朝寝坊な観光客が珍しく早起きして、まだ従業員が朝のお掃除なんかしてるときに、お散歩に出ようとしたら「Pagi〜!」なんて言われることもあります。これは「早いですねぇ」くらいの意味なので、「Pagi, anda」とお返事すれば「you too=そちらこそ」になります。

 「Apa khabar?」のお返事に対して、最後に「anda?」を加えると「and you?」の意になりますので、より丁寧な言い方になります。ネイティブのお返事は「Saya bike. anda?(サヤ バイク、アンダ?=私は元気ですよ。あなたは?」とか、「Bagus. anda?(バグース、アンダ?=絶好調。そっちは?)」など、人によって言い回しが違うので、相手がなんと答えるかもよく聞いて、バリエーションを増やしていってください。



【お礼の分量】
 旅先でこれだけは押さえておきたいというのが、「ありがとう」です。他がまったくダメでも「ありがとう」だけ現地語で言うと、途端に相手が友好的になったりします。

 マレー語の「ありがとう」は、「Terima kashi(テェリマカシ)」です。日本語的に「ありがとう」と考えるよりは、英語の「Thank you」と同じ使い方したほうがベターです。たとえばレストランでオーダーを言い終わったときも「Terima kashi(テェリマカシ)」ですし、フロントで部屋のキーを受け取ったときも「Terima kashi(テェリマカシ)」です。「Apa khabar?」のお返事をより丁寧に言いたい場合は、「I'm fine, thank you, and you?」「I'm fine too, thank you」のthank youに当たる部分に、「Terima kashi(テェリマカシ)」を入れて、「Saya bike, terima kashi, anda?(サヤ バイク、テェリマカシ、アンダ?)」になります。

 日本では料理を注文するたびにお礼を言う習慣はあまりないですが、「Attention please〜」のシメが必ず「thank you」で終わるように、人様に留意してもらったら「いじょ」に当たる「Terima kashi(テェリマカシ)」を言ったほうが良いです。

 お礼だけだったら、「Terima kashi banyak(テェリマカシ バニャッ=どうもありがとうございます)」も良いですね。「banyak(バニャ)」は「たいへん」「とても」「多い」という意味で、英語の「much」にあたる単語です。量を現す言葉ですので、状態を現す「とっても元気」「たいへん危険」は「banyak bike」「banyak hati」とは言いません。前述の2回繰り返しの法則で、「bike bike」「hati hati」になります。



【Apa〜?の応用編】
 「Apa(アパ)」という単語が出てきたので、ついでにApa〜の応用なんぞも書いておきましょう。「apa」は「何」という意味ですので、英語の「what」と同じような使い方をします。知りたいものを指差して「Apa?」でもいいですし、「これは」と言いたければ「Ini Apa?(イニ アパ?)」のように「これ=ini(イニ)」や「あれ=ithu(イトゥ)」という単語を足してください。

 マレー語で聞けばマレー語で返ってきますから、お答えもそれなりに聞き取れるよう、単語力があるに越したことはありません。メニューなどで不可解なものがあったら、魚なのか肉なのかくらいは分かると思います。



【Orangは人】
 旅先で聞かれそうな質問として、「どこから来たの?」の類があります。とはいえ、「なにじん?」なんて不躾に聞いてくる人はどこの国にもあまりいないですから、モノの本に書かれている「Saya Orang Jepun(サヤ オラン ジープン=私は日本人です)」なんていつ使うんだろう?と思いますでしょ。そ〜なんですよ。よって、相手の質問に「Orang」が入っていたら人数だと思ってください。

 お答えとしては「Dua Orang(ドゥア オラン=2人)」とか、「Tiga Orang(ティガ オラン=3人)」になります。何人という言い方は、チケットをまとめ買いしたり、バスなどに乗るとき一言添える際にも使えます。

 人数か出身(住んでるところ)を聞かれているのか分からなかったら、両者の質問の簡単な見分け方は、「Saya?(私?)」と聞いてみることです。「Tidak(違う)〜」とか「Kita(あなたたち)」と訂正されたら人数を聞かれていますし、「Ya(そう)」と言われたら人種を聞かれていると思ってください。「どこから来たの?」も「中国人かな?韓国人かな?」も、どちらもお返事は「Jepun(ジープン=日本)」か「JAPAN」で通じます。カリフォルニア在住の韓国人、ベトナムの華僑なんてことになると大変ややこしいですが、「日本」と言ってしまえば「あ〜、日本人ね」と理解してくれます。

 お返事は「Orang Jepun(オラン ジープン=日本人)」でも良いですが、さらに「どこに住んでるの?」と聞かれたりするので、このへんが多民族国家だなぁと思ってしまうところです。もしも「パリ在住の日本人です」とか「ロンドンに留学中の日本人です」なんて言いたかったら、挑戦してみてください。もっとも海外在住の人は英語で用が足せるでしょうから、ココは読んでない気もするが。



【辞退とお願い】
 旅先で困ることといえば、買う気がないものをせっせと売りに来る物売りをどう断わるかがあると思います。人に何かを注文するときは、Minta〜(ミンタ〜)ですが、物を売りに来る人は「Sirakan〜(スィラカン〜)」「Trong〜(トゥロン〜)」で始まる言葉をよく使います。これは「Minta〜」が「Please〜」くらいの意に対して、「Sirakan〜(スィラカン〜)」は「Would you〜」「Could you〜」、「Trong〜(トゥロン〜)」は「Why don't you〜」くらいの勧誘の意が強くなります。

 欲しいものであれば値段交渉が始まるわけですが、要らない場合の断わり方は「Tidak mau(ティダ マウ=要りません)」と言えば通じます。もっと丁寧に言うなら「Maaf, tidak mau(マアフ、ティダ マウ:耳コピーにつきスペルは自信ナシ)=ごめんなさい、要りません」になります。「Tidak=No」「mau=want」ですから、逆に「〜が欲しい」は「Saya mau〜」、「〜へ行きたい」は「Saya mau ke〜」となります。欲しい物が決まっている場合、食べたい物がメニューにあることが分かっている場合などは、「mau」ではなく「Minta〜=〜をください」と言います。

 レストランなどでボーイを呼ぶときに、なんと呼びかけるか。これもモノの本にはあまり出ていないけど、よく使う表現だと思います。「Minta〜」は、すでに相手がこちらに注意を払っているときに呼びかけ言葉ですから、誰も出てこない、オーダーを取りに来た人がいなくなってしまった場合は、「Prumishi(プルミシ:これも耳コピーにつきスペルは違うと思う)」と言います。これは英語の「Excuse me〜」や「Attention」に相当する言い方なので、人混みをかき分けるときなど、失礼!は「Prumishi(プルミシ=すみません)」でいいと思います。一方、謝罪はMaafu(マアフ=ごめんなさい、申し訳ない)です。エレベーターで人の足を踏んでしまった、うっかり人をド突いてしまった場合は、「I'm sorry」に相当する「Maaf(マアフ)」になります。

 んでわ、「Minta maaf(ミンタ マアフ)」はと言いますと。こりわもう洒落じゃ済まないときの謝罪。ホントにどうもごめんなさい、許してください、になります。旅先では使うことがないほうがいいお言葉ですね。



【数の言い方】
 人数のお話でチラと「数」が出てまいりましたが、挨拶だけでなくも少し会話してみたいぞってことになると、旅行者のばやい数字の言い回しは避けて通れません。こりがめんどいので、ど〜しよ〜かと思っていたら、素晴らしいサイトがございました。

 とがりさんのマレーシア語講座へようこそというサイトには、旅先で使う単語や会話がてんこ盛りです。数字や食べ物・飲み物の言い方もいっぱい出ていますので、単語の解説はそちらにおまかせするとして、ここでは押さえておきたい単語だけピック・アップしていきます。

 まずはよく使う数字。1〜10までは基本ですが、「1」「2」「3」「5」「10」は徹底的に憶えてください。これらはお買い物でひじょーによく使います。マレーシアやインドネシアには「定価」という概念がなかったので、近代的なデパートやスーパー以外の個人商店では、値段は交渉制がフツーです。マレーシアのお金には「マレーシア・ドル」以外に「セント(1セント=1/100ドル)」も存在していますが、交渉制の商店で「28ドル74セント」みたいに難解な数字を言われることは、まずないです。たいていは「10ドル」「30ドル」なんて切りの良い数字の丼勘定です。

 したがって、めでたく1〜10をマスターしたら、1〜10に加えて10の倍数も憶えておくと便利です。「〜じゅう」の単位は「〜puluh(プル)」ですから、27は「duapuluh tuju(ドゥアプル トゥジュ)」、56は「limapuluh enam(リマプル ェナム)」のように、「〜プル+1ケタ数字」でおっけーです。ただし、11〜19だけは違います。単体での10はsepuluh(スプル=ただの10で、うんじゅうではないという意味)ですが、19はsembilanbelas(スンビランブラス)で、「sepuluh sembilan(10+9)」とは言いません。

 この「〜belas」シリーズは、1ケタ数字+ブラスで「じゅういくつ」になります。では11は何と言うでしょう? こりもsatubelas(サトゥベラス)とは言わずに、sebelas(スブラス)と言います。かように単位が変わった最初のケタの1には、se(ス)がつきます。100ならseratus(セラトゥース)、1000ならseribu(スリブ)です。例外はココだけですので、あとは各ケタの単位と1ケタ数字の組み合わせでだいじょびです。1万は英語式に10千、10万は100千になりますが、よほどマレーシアで散財する気がなければ、日常は100以下の数字でこと足ります

 時間を現わすそれぞれの単語は、英語と同様にhari=日(day)、malam=晩(night)という使われ方もします。たとえば「何泊しますか?(宿泊の交渉をするとき)」という質問には「lima malam(リマ マラー=5晩)」、「何日滞在するのですか?(旅行期間を聞かれているとき)」には「enam hari(ェナム ハリ=6日間)」 と答えます。1週間、1ヶ月という言い回しもありますが、覚えられなかったら「tuju hari(トゥジュ ハリ=7日間)」「tigapuluh satu hari(ティガプル・サトゥ ハリ=31日間)」でももちろん通じます。



挨拶と要求関係はこれくらい押さえればなんとかなりますので、次回は楽しい楽しいお食事関係です。


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