10-7-99(Thu.)

Selamat Jalan ke SEPANG
-旅先で役立つかもしれないマレー語・付け焼き刃講座(3)-


旅の楽しみといえば、お食事は欠かせませんよね。とゆ〜わけで、今回はご飯にまつわるお話です。引き続き、カンタンな単語だけで乗り切る方法や、食習慣や注意事項にもちろっと触れていきます。



【水は飲まない】
 すでに「海外では生水を飲んだらダメ」とゆ〜のは常識と化してきましたが、マレーシアも例外ではありません。ところどころ聖水が湧いていて泉の水が飲める場所もありますが、滅菌・殺菌ブームのおかげで日本人は世界一細菌に弱い民族と呼ばれるようになっちゃいました。地元の人が飲んでだいじょびな生水でも、我々だけお腹を壊すことはしょっちゅうです。んでわ、水はどこで買うかといいますと。

 水はスーパーでもそこら中のワルン(屋台)でも買えますが、ガラスのボトルとペットボトルのものでは、どちらが良いでしょう? これって、ガラスのほうが細菌が付かないから良さそうに思ってしまいがちですが、逆なんです。ガラスのボトルは回収されて使い回しますから、安いですけど買わないほうが無難です。ど〜してもガラスボトルのミネラルウォーターしか売ってなかったら、王冠がキレイなものを選んでください。錆びていたり、古そうだったら諦めましょう。

 ペットボトルのほうはキャップがねじ切り式ですから、フツーは安全。「フツーは」と言いますのは、ごくまれにキャップが開いているものがあるんです。これは使い回した証拠なので、キャップの下を見て栓が切れていたら、買うのは見合わせましょう。沸かして詰め直した水でも半日で腐りますので、飲み残しを次の日のためにとっとこう、なんてこともしないでね。



【茶は甘いものと心得る】
 甘いものを滅多に口にしない私が、イスラム圏でもっとも閉口するのがコレ。お茶を頼むと最初から甘いのだよ。口をサッパリしたいとき、甘いお茶を出されるとけっこう辛かったりする。「甘くないお茶を下さい」という頼み方は、モノの本では「Minta satu teh panas, tida manis(ミンタ サトゥ テ パナス、ティダ マニス)」などと書かれているけど、これでは手ぬるい。「tida manis(ティダ マニス)」とは「tida=〜でない+manis=甘い」で、あくまでも「Not so sweet」。つまり、うっすら甘いのだよ。日本だと「微糖」とか「ほんの〜り甘い」とか言ってるアレに近いです。絶対に甘くないヤツ!砂糖抜きったらヌキ!というお茶を頼むばやいはどうするか。

 「Minta satu teh panas, tida gula(ミンタ サトゥ テ パナス、ティダ グラ)=砂糖抜きのホット・ティーを1つください」と頼みます。「gula」はグラニュー糖のグラ、つまりお砂糖です。「teh」は紅茶。「panas」は「熱い」になります。アイスティー・砂糖抜きを頼むなら「Minta satu es teh, tida gula(ミンタ サトゥ エス テ、ティダ グラ)」になります。「es」は「氷」ですから、「es kopi(エス コピ)」といえばアイスコーヒー。町中やビーチでも「Es! Es! Es!」と言いながら、タンクのような物を担いでいる少年を見掛けますが、これは氷屋さん。

 お腹がデリケートで現地の氷がコワイ人は、「tida manis」「tida gula」の応用で「tida es(ティダ エス)」と頼むと氷抜きのドリンクがもらえます。その場合は「es」の代わりに「sejuk(セジュー(ク))=冷たい」を使って「Minta satu teh sejuk, tida es(ミンタ サトゥ テ セジュー(ク)、ティダ エス)=氷抜きのアイスティーをください」と頼んでください。まぁよほど身体の弱った人以外は、ガリガリ食べなければ飲み物に浮いている氷くらい、大丈夫なものだけどね。

 ちなみに「panas」には、「hot」の意も「heat」の意もあります。食べ物に使えば「熱い」になるし、お天気のよい日に「Panas ya?(パナス ヤ〜)」と言うと「暑いですねぇ」という挨拶になります。水はair(アイル)ですので、air panas(アイル パナス)といえば「お湯」。たとえばレストランで薬を飲むのに、ビールや甘いお茶ではイヤだなぁと思ったら、「Minta satu air panas(ミンタ サトゥ アイル パナス=お湯を1杯ください)」と頼んでみてください。

 えっ、熱湯なんかじゃ薬は飲めな〜い・・・とか、湯冷ましってなんてゆ〜の?と思うでしょ。自分で冷ましてくらさい。ど〜しても言いたかったら、「氷を入れた熱湯」でも「一度沸かしたお湯」でもい〜んですけど、これってぜってー沸かした?グラグラになるまで?と思うなら、目の前に今沸かした熱湯が出てきたほうが、安心するでしょ? モノの本に書かれている「Minta air minum(ミンタ アイル ミヌン=飲み水をください)」だと、湯冷ましは出てくるけど、朝沸かして半日経ってる水ってこともあるです。ミネラルウォーター(お金を取られるほうの水)が欲しかったら、「Minta satu air bottle(ミンタ サトゥ アイル ボトル)」で通じます。



【chaiとkopi】
 「chai(チャイ)」と言ったら、コンデンスミルク煮のロイヤル・ミルクティーみたいなもの。甘くないミルクティーが欲しいなら「Minta satu teh susu, tida gula(ミンタ サトゥ テ・スス、ティダ グラ)」と言います。「susu」は牛乳。「Minta satu chai, tida gula(ミンタ サトゥ チャイ、ティダ グラ=甘くないチャイを1つください)」だと「なに言ってるの?」ってことになる。チャイは甘いと相場が決まっているのです。砂糖を抜いたら安くなりそうなものだけど、これらの「甘くない飲み物」は「1つだけみんなと違うものを頼んだ=手間かけやがって」ということで、Extra orderになるから普通のお茶より高く付きます。

 砂糖の量が自分で選べる飲み物は、「kopi(コピ=コーヒー)」くらいかなぁ。これも時々最初から甘かったりするみたいだけど、別にコンデンスミルクが付いてきたり、ごくまれにグラニュー糖が出てくることもあります。マレーシアのコーヒーはトルコ・コーヒーと同じで、豆をすりつぶしてカップに入れてしまう方式。正しい飲み方は、豆の粉が沈んでから上澄みをお上品にいただきます。一口飲んで、うっかり「もうちょっとミルクを入れようかな」なんて思うと、飲むのはもう2〜3分後になってしまいます。ミルクを足してもかき回さなきゃいいんだけど、ついやってしまうのよね。



【憧れの白飯とラーメン】
 マレーシアの食事は、だいたいどれもしっかり味が付いているから、主食は白いご飯が欲しいなぁという方も多いでしょう。「nasi(ナシ=ご飯)」といえば「goreng(ゴレン=炒めた)」しちゃった、味付け飯しかないのぉ?とご不満の方。ちっちっち、さにあらず。ちゃんとしたレストランだとメニューには出てないけど、「nasi puthi(ナシ・プティ=白いご飯)」というものは、しっかり存在するんです。オーダーするときは「Minta (数+)nasi puthi(ミンタ 数+ナシ・プティ)」でもいいし、「Ada〜(アダ=〜はあるか?)」という言い方で「Ada nasi puthi?(アダ ナシ プティ=白飯はありますか?)」でもおっけーです。

 マレーシア・インドネシアの料理といえば、nashi goreng(ナシ・ゴレン=炒飯)、mi goreng(ミー・ゴレン=焼きそば)は有名だけど、nasi chample(ナシ・チャンプル)は意外と知られてないですね。これは白いご飯の上に、鶏の唐揚げとか野菜炒めが乗った1皿料理です。ね、白いご飯もあるでしょ? 白いご飯は「絶対甘くないお茶」とは違って、スペシャル・オーダーではないですから、ぜひ気軽に頼んでみてください。

 ちなみに「goreng(ゴレン)」は、英語の「fried」と全く同じ。揚げ物でも炒め物でも、goren(ゴレン)です。よってmi goreng(ミー・ゴレン)は焼きそば、ikan goreng(イカン ゴレン)は魚フライになるわけですが、麺もゴレンだけではありません。ワンタン麺はまんまwantan mi(ワンタン・ミー)ですし、つみれ入り汁ソバはmi baso(ミー・バソ)です。ミー・バソは東南アジアでよく見掛ける小振りの麺で、チャイナタウンなどでは「魚丸湯麺」と書いてあるものと同じです。量は日本のラーメンの1/2〜1/3程度しかないので、おやつ代わりに食べたり、スープの代わりに頼む人もいます。

 ゴレンついでに、もう1つ。屋台のスナックなどで、「pisan goreng(ピサン・ゴレン)」と書いてあったら、そりわバナナ・フリッター。加熱用の小振りのバナナをホットケーキ・ミックスみたいな衣に包んで揚げたものです。アメリカン・フランクフルトの中身が、バナナになったようなもんだと思ってください。安いし美味しいので、見掛けたらチャレンジしてみてくださいね。



【お支払い】
 食事が済んでお会計のだんになったら、たいていの店はテーブルチェックですから、「Plumishi〜(プルミシ〜=すみませ〜ん)」で目指す従業員を呼び寄せて、「Minta Bon(ミンタ ボン=お会計をお願いします)」と言ってみましょう。英語で言うなら「Check Please!」がベストです。旅慣れた人々には「Bill Please」という言い方のほうが馴染み深いかもしれませんが、マレーシア語・インドネシア語ではビルと言ったら「Bir=ビール」のことです。したがってビールを頼みたいときは、「Minta dua bir bintang(ミンタ ドゥア ビルビンタン=ビンタン・ビールを2本下さい)」などと言うわけですが、日本人の発音では「Bir」と「Bill」の区別は限りなく不可能です。よって、「Bill Please!」と叫んだら追加のビールが来たりします。いや、ホントに。で、訂正の仕方が分からないから、無理して飲んじゃったりするのよね、これがまた。ほほほ。

 中級以上のレストランだと、レジスターマシン完備のところもありますが、基本はテーブルチェックでおっけーです。テーブルチェックが歓迎されるのは、東南アジアでもチップの習慣が浸透してきたため。チップは苦手なのよねぇ・・・という人もだいじょびです。釣銭トレイの中にコインが含まれていたら、数枚残してそっと返すだけでも感謝の意は伝わります。さりげなく「Sirakan(シィ〜ラカァン=どうぞ)」と付け加えられれば、なおぐ〜です。「Terima kashi(テェリマカシ=ありがとう)」と一言添えて端数をお返しすると、とても上品にチップを渡すことが出来ます。接客担当が決まってない店や、キャッシュ&デリバーの店ではチップは不要です。

・食べ物・飲み物・数詞は、前出のとがりさんのマレーシア語講座へようこそで覚えてね。



【食べたら行くところ】
 場所を聞く言い方は、「Di mana〜(ディマナ〜=〜はどこですか?)」です。トイレを探しているなら、「Di mana bilik air?(ディマナ ビリッ アイル?)」または「Dimana WC?(ディマナ ウェセ?)」です。聞いたはいいけど、どっちが女子用だか?の場合。たいていは女子用は赤、男子用は黒か青の文字で表示されています。どちらも同じ色で書かれていたら、Wanita(ワニタ=女性用)と書いてあるドアを目指してください。男子用は忘れたけど、い〜んですぅ。女性用を覚えておけば、男性は「Wanitaぢゃないほう」へ入ればいいんですから。

 「bilik(ビリッ)」は「部屋」、「air(アイル)」は「水」という意味。つまり「お手洗」ということです。トイレは他に「kamal kecil(カマル クチール)」という言い方もあります。こちらは「kamal=部屋」「kecil=小さい」という意味。これはインドネシア語かもしれませんが、マレーシアでも通じます。どちらか1つ言えれば十分ですので、「水部屋」か「小部屋」か憶えやすいほうを使ってください。



【〜はあるか?の応用編】
 「Ada〜(アダ=〜はあるか?)」は、「空室はありますか?」とか「今夜部屋はあります?」にも、さっきの「bilik(ビリッ)」「kamal(カマル)」や、前ページの「ini(イニ)」と併せて使ええます。そうは言っても、はて、「空き部屋」ってなんてゆ〜んだろ。カラの、空いた、ってなんだろう・・・なんて悩まなくてもだいじょびです。こちらも考え方は、英語式の「Do you have (a)room for tongiht?」でおっけーです。

 「Ada kamal ini malam?(アダ カマル イニ マラ〜)」なら、今晩お部屋はありますか?になりますが、「Ada kamal?(アダ カマ〜ル=部屋はありますか?)」でも通じます。「何泊ですか?」と聞かれたら数のところでご紹介した「enam malam(6泊=ェナム マラー)」のように、数+夜で乗り切ってください。「何人ですか?」は見れば分かるのでフツーは聞かれないですが、見た目は2人でも後からもう2人来る=計4人なんて場合は「empat orang(ウンパッ オラン=4人)」とか、数+人でリクエストします。4人バラバラにシングルがいいのよねぇ、なんて場合は「empat kamal(ウンパッ カマル=4部屋)」で分かります。

 3人なんだけど、シングル3つではなくトリプルでお願い出来ないかなぁだったら、「kami(カミ=我々)」とか「tiga orang(ティガ オラン=3人)」「satu kamal(サトゥ カマル=1部屋)」なんて単語を並べれば、フツーは通じます。モノの本に書いてある小難しい文章のように、長々と流暢にしゃべれなくても、ご心配には及びません。お宿に荷物を持って入ってきた人なんですから、「泊る気はないんだけどホテルを買い取りたい」とか、「おたくのお嬢さん、そろそろ受験でしょうから教材買わない?」なんて意表をついた用件でもない限り、こちらの意図が分からない人はいないです。だいたいどんな安宿でも、宿泊に必要な言葉だけは英語でも通じるものですが、値段交渉したいときは英語で言ったときより俄然安くなりますので、ガッツがあったらチャレンジしてみてください。



【飲酒にまつわるこぼれ話】
 マレー語講座ではないけれど、飲酒の注意事項など。マレーシアはイスラム圏だから、日本ほどバーが充実しているわけではありません。浴びるほど飲もうと思えば飲めないことはないけど、敬虔なイスラム教徒は酔っ払いを忌み嫌うので、酒グセの悪い人はご注意ください。ちょとくらい飲んでハシャいでいるのはご愛嬌で許されますが、「からみグセがある」「ケンカっぱやい」「つぶれやすい」という方は、かなり軽蔑されます。特に女性は、「泣き上戸」「足に来るまで飲んだ」「2日酔いした」などという失態が露呈すると、その地を去るまで名誉は快復できないと思ったほうが良いでしょう。

 朝起きて「Selamat pagi〜!」なんて愛想を振りまいているのに、昨日までは対応の良かったボーイが急にシレッとしていたら、原因はまずお酒の失態だから(日本人は失態だと思っていなくても)気を付けてね。大して飲んでいないのに、店によっては追加を頼むと「もうお辞めになったほうが・・・」とやんわり言われることもあります。もしもたしなめられたら、粘っちゃダメ。どうしてもしこたま飲みたかったら、続きはボトルを買ってきて部屋で飲みましょうね。



えっ、どこで買うの? はい、次回はいよいよ大詰めの、お買い物・お出掛け関係の応用編です。


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とうがらし@倶楽部冗談






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