10-11-99(Mon.)

Selamat Jalan ke SEPANG
-旅先で役立つかもしれないマレー語・付け焼き刃講座(4)-


さて、最終回の今日はお買い物と交渉編。大学出の人、空港のスタッフ、一流ホテルの従業員はもちろん英語が通じるけど、「大学出」ってのは日本の大学出とはケタが違います。極めて優秀なエリート揃いで、数ヶ国語しゃべれるのが普通です。よって出会う確率もひじょーに少ない。値段交渉が必要な店だと、まず英語は通じないと思ったほうがいいです。一応カタコトの英語をしゃべる人は多いけど、自分の要求しか言ってないから、受け答えが出来るとは限りません。したがって、これでは絶対に値段は下がらない。いわゆる「外人価格」というもので、米ドル立てでバンバン買っても痛くも痒くのない人ならまぁいいんだろうけど、世間の物価を吊り上げないためにも交渉はしてみてね。



【いくら?】
お値段の聞き方は、「Berapa?(プラパ=いくら?)」です。指差しで「Berapa ini?(プラパ イニ?=これいくら?)」でもいいですし、少し遠いところにあるものを言うときは「Berapa itu?(プラパ イトゥ?=あれいくら?)」とも言います。値段交渉のお約束「まとめ買い」には、「Berapa lama?(プラパ ラマ=これらはいくら?)」になります。面倒だったらグルッと指差して「Berapa?(プラパ?)」でも大丈夫です。

 英語で「How much?」と聞くよりは、最初から相手の言い値が安くなることは請け合います。お答えはマレーシア語で返ってくるから、数字の基礎は覚えておいてね。「たっけ〜っ」に続けて叩いたつもりが、相手の言い値より高い数字を言わないように。いや、ホントにあるんだよ、こ〜ゆ〜おマヌケなミスって。相手が笑うからすぐに気が付くけど、リカバーの方法としては「10コでは?と聞いたんだよ」とか「両方で?」などとすっとぼけてください。言えなかったら、もっと高そうなものを指差して同じ値段を言ってみるとか、グルッと指差し技などで切り抜けてくださいね。

 値段交渉は、なにも露天に限ったことではありません。ロブスターや牡蛎など、現地でも高級食材とされているもの=金持ち外人しかほとんど食べないものは、値段は「時価」の場合が多いです。定価なのか時価なのか分からない場合は、相手になにがしかの値段を言われたら、「Itu hargapas?(イトゥ ハルガパス?=それは定価ですか?)」(スペル自信なし)と聞いてみてください。「Ya(ヤ=そうです)」と言われたら諦めるしかないですが、「いくらだったらいいの?」とゴチャゴチャ言ってきたら、交渉してみてください。言い方は色々ありますが、こちらが大してしゃべれないことが分かると、ごく簡単に「Berapa anda?(プラパ アンダ?=あなたの値段は?:いくらならいいの?)」と聞いてきます。健闘を祈るっ。

●ちょっと一言:「Berapa」のルビは「フ゛ラハ°」になってる本が多いけど、「フ°ラハ°」だよ。つまり、ローマ字で書くと「PURAPA」のが近いのよ。なんで他の単語は「Bu」はまんま「BU」なのに、「いくら?」だけ「PU」なのかと言われると、鶏頭には聞かないでね。分かりまへん、きっぱり。マレーシア語はほとんど見たまんまの発音だけど、正しい音は文字で覚えるよりも、現地の人の発音を耳コピーしてオウム返しするのが一番通じます。



【高い・安い】
 値段交渉のもう1つのお約束、高いはMahal(マハール)です。そう、マハラジャのマハールです。高い、エライ、規模が大きいの意味があります。とても、沢山、数が多い、は「Banyak(バニャ)」。両者の違いは「much」と「many」のようなものです。まぁだいたい「Mahal(マハール)」は、値段とか人物のスケールを現わすものと思ってください。位置関係を現わす「高い」は「tinggi(ティンギッ)」、「安い」は「mura(ムラ)」と言います。

 「mura(ムラ)」は絶対に使わないとは思うけど、ご参考までに。「もう少し安くしてください」なんて言うときに使わなくはないけれど、ややこしいことを言って間違えると「ね、安いでしょ?」なんて勘違いされて交渉は水の泡。ゴチャゴチャ言うより「Mahal!」一辺倒のほうが効果的です。あとはあなたのクサイ芝居にかかっていますので、「困った顔」なり「ビックリ顔」なり気絶しそうなゼスチャーなり、様々なバリエーションをお楽しみください。



【値段交渉の相場】
 値段交渉に行き詰まったら、必殺「Minta tulis(ミンタ トゥリス=書いてください)」です。値段交渉はゲームのようなものだから、双方が満足したという実感が残ればまずは成功。よってホントに買いたい値段から行っても、その値段にはならないじょ。たとえば100MRで買いたかったら、75〜80あたりから刻んでいってね。交渉成立していざお金を払うときに、ガバッと開いたウォレットに札束ギッシリというのはちと頂けません。物騒でもあるし、値切りまくったのに感じの悪いこと甚だしい。

 普段使いの小銭は分けて持つのは旅の常識だけど、どうにも値段が下がらないときは、衝動買いしても良いかな?と思える額=希望購入価格分しか入ってない小銭入れの中を「これしかないもん」と見せてしまう究極のウラワザもあります。あまりお上品な方法ではないけど、効き目がすごいことは保証します。これってすげーボラれてる?と思ったら、やってみるのも手かもしれません。

 ただし、ボラれてるかどうかは、あまり考えないほうがいいです。イスラム・ヒンズー圏では富める者は多く支払い、貧しい者に施すという習慣があるので、地元の人より高く買わされるのはとーぜんなんです。これは「日本人=金持ち」というイメージもあるかと思いますが、ビンボー旅行で立ち寄っても、地元の人から見れば「飛行機で海外旅行に行かれる人=金持ち」です。定価がないと不安に思うかもしれませんが、自分で払ってもいいなと思った値段が、あなたの定価になります。目安は相手の言い値の半額くらい、ここまで下がれば十分でしょう。たとえ地元の人がさらにその半額で買っていたとしても、払ってもいいなと思った値段=払える人なんですから。

 もう1つ、値段を下げたかったら朝一では買わないこと。これって案外どこにも出てないポイントです。日本でもゲンをかつぐものがありますが、インドネシアやマレーシアでは、朝一番のお客さんに高く買ってもらえたら「今日は縁起がいいぞぉ」という習慣があるようなので、開店直後の店であまりしつこく値切ると嫌われます。日本のスーパーの値下げ時間と同じように、夕方通ると朝見た値段の半額になっていたりしますから、掘り出し物を探すならこの時間帯をオススメします。欲しいものが絶対残っている保証はないので、どうしても欲しかったら見つけたときに「自分で決めた値段」でサッサと買っちゃいましょう。

 あとはモノの本にも書いてあるとおり、1度で買わないことですね。折り合いそうもなかったら、振りでもいいから立ち去る様子を見せてみる。引き留められたらまだ下がる余地があるけど、まるで引き留められなかったら、泣きながら言い値で払うか「ホントは欲しくなかったものね」と負け惜しみを心に刻んで、立ち去りましょう。こりゃ、とても買えないわ・・・と思ったら、英語の「just asking(すまん、聞いてみただけ)」で通じます。これだけは憶えなかった現地語ですが、おびただしい数の欧米人が同じことを言っていくので、どこでも通じます。立ち去るときは、書いてもらったメモとボールペンを必ず返してもらってね。これを忘れると、何本ボールペンがあっても足りません。

●ちょっと一言:値段を考える際に、よくある「日本円でいくら〜」は忘れましょう。わたくしビンボー旅行しかしてなかったものですから、値切るほうの注意ばかり書いてしまいましたが、やたらにお金をバラまくのもいかんです。これは日本でもやたらに札ビラをきったら嫌われるのと同じですが、「日本円で〜」が忘れられないうちは、どこへ行ってもあなたは「札ビラをきる日本人」になってしまいます。だって、日本って世界でも1〜2を争う物価高だものね。したがって何を見ても安く感じるのは当たり前で、あなたが急にエラくなったわけではありません。

 お礼のつもりで、やたらにご馳走をするのも失礼ですので、気を付けてくださいね。普段の自分と同じような生活レベルを心掛けていればだいじょびですが、等身大の自分より豪遊している人は、浮かれている様子がどこかハナについて嫌われちゃいます。あるいは内心「けっ、イケ好かないヤツ」と思っているのに儲かるからガマンしてるだけ・・・な〜んて人が、「お大臣遊びして舞い上がっている小市民」と重々知りつつ、金品目当てに近付いてきたりします。そうなったら彼の国で敬意を勝ち取るどころか、軽蔑されつつ取るものは取れるだけむしり取られるので、楽しいハズの旅先で嫌な思いをすることにもなっちゃいます。相手も人間だから、絶対に相手を尊敬する気持ちは忘れないでくださいね。



【場所をたずねる応用編】
 お食事編で出てきた「Di mana〜(ディマナ〜=〜はどこですか?)」は、道をたずねるときも使える言い方だから、覚えておくと便利です。道に迷った場合は、地図を見せて「Di mana jalan ini?=この通りはどこですか?」と聞けば、行きたい場所を指差してくれます。他にも道に迷ったときは、「Si apa nama jalan di ini?(シ アパ ナマ ジャラン ディシニ)=ここの通りはなんて名前?」という聞き方もあります。

 mana(マナ)=どこ?nama(ナマ)=名前という意味で、「Di」は「Si」と似たような冠詞というか前置詞というか、そんなようなものだ。どうせ知らない通りだったら答えてくれても聞き取れないだろうから、相手がなにがしかの名前を発したら「Minta tulis(ミンタ トゥリス=書いて)」を活用するのだよ。話が前後するけど、名前の聞き方は「おまけ・・・2」も見てみてくらさい。



【おまけ・・・1】
 旅先ではカタコトの要求は出来るようになっても、何か言われているのに分からないということが多いです。分からなければ反応しなくてもいいけど、お礼くらい言っておいたほうがいいぞと思うのが、お世辞を言われているばやい。ナンパ目当てだったり、ただ話のきっかけだったり、物を買って欲しくてヨイショしている場合だったり。使われ方は色々あるけど、日本人が最も言われるとしたら「cantik(チャンティッ(ク)=カワイイ)」ですね。男性の場合は「tanpan(タンパン=カッコイイ)」だけど、これは「indah(インダ=美しい)」と同様、滅多に言われない。

 サイフの紐を握っている人はいづこも同じ。ホテルの従業員や物売りだったら、カップルまたはご夫婦相手なら、婦女子の心をガッチリつかめばO.K.さっ!ということを知っているんですね。なんだか知らないけどニッコリと指をさされて「cantik」と言われたら、「ああ、お世辞を言われたのね」と思って「Terima kashi(テェリマカシ)」くらいは言いましょう。ちなみに目鼻立ちの美しさも「indah(インダ)」と言うけど、これは絶世の美女か余程のタイプでないと言わないと思う。 万が一「indah」と言われたら、最上級のお世辞か本気で誉めているので「Terima kashi banyak(テェリマカシ バニャッ)」と優雅に言ってあげましょう。

 そして彼の国では美しさの基準とは、「肌の白いもの勝ち」という価値観が大きいです。ご飯のところで「putih(プティ=白)」と書いたけど、肌の色にも同じ言葉を使います。「putih」と指差されたら、「白いね=きれいだね」と言われているのですから、お返事は「Terima kashi(テェリマカシ)」でいいでしょう。小柄で色白な人は現地で急にモテモテになったりするから、ビビッたりヘンに気を持たせたりしないでね。



【おまけ・・・2】
 お約束のおやぢギャクも一発書いておこうかな。「お名前は?」という聞き方は「Si apa nama anda?(シ アパ ナマ アンダ?)」と言います。「apa=何?」「anda=あなた」というのは前回、前々回でもご説明しましたが、nama(ナマ)は名前のこと。覚えやすいっしょ? 「Si」はなんて説明すればいいんだろうな。たとえば「What your name?」に相当するのが「Apa nama anda?(またはandaの代わりにawak)」だとすると、「Si apa nama 〜」は「May I have your name please?」くらいの感じです。

 andaの代わりに男性はencik(エンチック)、女性は既婚の場合puan(プアン)、未婚の場合cik(チック)が入ると、もっと丁寧な聞き方になります。自分で部屋を取る人以外はあまり使わないかもしれないけど、覚えておいて損はない表現だと思います。お答えは「Nama saya〜(私の名前は〜)」で〜の部分に自分の名前を入れてください。これのどこがおやぢギャグなのでしょ。んふふ。遠藤さん、出番です。マレーシア語で「私の名前は遠藤です」とおっしゃってみてください。「ナマサヤエンドウ」・・・・・・・すっ、すまん。



【MRが残ったら】
 為替レートのおかげで、日本人は東南アジアへ行くとにわか成金になれちゃいます。

 使い残しのMR(マレーシア・リンギットと呼んでいるけど、現地では「ドル」と言っている)は、「ちょ〜だい」と言われても「ど〜せ持って帰っても紙屑だから」とホイホイあげてはダメですよ。一部のよからぬ空港職員は、日本人が残ったMRを持て余しているのを知っているから、時々妙にネコなで声で「ちょ〜だい」と言ってきたり、いつまでたってもおつりが来ないなんて事があります。買い物でチップの習慣はないのだし、こちらには紙屑でもあちらには現金だということを忘れずに。安易にお金をあげる悪しき習慣を付けると、日本人観光客全体が狙われやすくなるので、後の旅行者の身の安全ということもちょっと頭に入れておいてね。

 とはいえ、空港内は飲食物がやたらに高いから、けっこう余ったと思っても普通はすぐになくなります。ただし、コインは別。街中の物価から考えたら目の玉飛び出そうなどんぶり勘定ですので、なるべくコインを持ち帰りたくなかったら、空港へ着く前に使い切っておいたほうが無難です。逆両替は頑張ればやって出来ないことはないけど、恐ろしくレートが悪いので1万円以下ならやらないほうがいいですよ。もちろんコインの逆両替は出来ません。ま、最初に両替しすぎないように、使い残さないようにということです。気に入ってまた行きたくなりそうだったら、手元に残ったMRは絶対持ってたほうがラク。到着直後は小銭がないと何かと不便なので、次のお出掛けまで大事に持っていましょう。



それでは、お気を付けてお出掛けくださいませ。Selamat Jalan!


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とうがらし@倶楽部冗談






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