4-11-2003(Fri.)

F1放送を楽しむには

 去年・一昨年は自分のレースにかまけてて、ほとんどまともに放映を見てなかったので、ブラジルGPが審議に入る前にビデオを見直したりしちゃいました。感想を百字以内でまとめなさいと言われたら、「豪雨による20分遅れのスタートとなった決勝は、難しい路面状況の中スローペースで開始され、レースは4度のピットインを経ても終始トップを譲らず、AMGメルセデスSL55のポール・トゥ・ウィンで幕を閉じた。」ってとこでしょか。

 ・・・と、パリの審議会の裁定が下るまで遊ぼうかと思っていたら、ここでフィジコ逆転優勝の報が入りました。まずは念願の初優勝おめでとうございま〜す! ぱちぱちぱち/

 みなさまご記憶でしょか。ありわまだベネトンに移籍する前、初々しいヤング・ジョーダンの頃でございました。記者団に「初優勝したら何がしたいですか?」と聞かれたフィジコが、「エディ・ジョーダンのヅラをひっぱがす」とお答えになったのを。わたくしロッコ・ベネトンの娘(姪だっけ?)と結婚したときはベネトンに永久就職で、もうあの約束はお流れになってしまったと思っていました。あ〜、それがまさかのジョーダンGPで叶うなんてっ! カモ〜ン!フィジコ!! かましてちょ〜らいっ。




 え〜、さて。今年のフジの地上波放送には手厳しいご意見が飛び交ってますが、これも3回目ともなると段々慣れてきたから恐ろしい。スタジオのギクシャクぶりがそれほど気にならなかったのは、ブラジルGPは毎年生中継ですし、ビデオで見直しているせいもあるでしょうね。



【オープニングCG】

 ちゃんと見直したら、わたくし今までいかに真面目に見ていなかったかが、とってもよく分かりました。今年のオープニングCGって、こんな映像だったんだぁ。かな〜り無理付けで実写を切り貼りしとりますが、完全に描き起こしてる車もあるのね。みなさますぐに気が付くのは、車載カメラからエンジンブローした車をリアウィング越しに合成してる画面だと思いますが、他にも実写をリタッチしてる画像はいっぱいあって、思わず何度かシャトルでコマ送りして見てしまいました。こりゃ面白そうな仕事ですね。人様のご苦労に面白そうなんて言ったら叱られちゃいそうですが、わたくしレイトンハウスが走っていたなんて気付かなかったものですから。

 ちと抵抗があったのは、フジテレビはこのオープニングCGもかなり売りにしてたのね。わたくしどうも昔気質なところがありまして、こ〜ゆ〜のってさりげなくスゴイことをやっているから美しいのであって、話題性や興業収入のために前面に出すものではないだろーと思ってしまうのです。映画のタイトルバックもそうですけど、それだけで作品になってしまう素晴らしいものは沢山ありますが、私自身は作ったものが世に出ることと、自分の存在をアピールすることは全然別物だと思っているので、余計そう感じるのかもしれません。

 内容のほうはと言いますと、へら〜りとマクラーレンがやけに特別扱いされていて、他のチームは火吹きや大クラッシュで紹介されているのはえ〜んだろか。なんかF1て、とても粗野で危険だらけのスポーツに見えてしまいます。このへんにも放映側がど〜ゆ〜意図で作成を依頼したか、垣間見えるような気がします。「ドリブン」を見たときも似たような印象が残りましたが、こりが一般の人が想像するレースの世界なんでしょか。そうなってもおかしくない世界で、街乗りのカローラみたいに動かしちゃうからスゴイのに、モータスポーツってホントにスゴイことをやってるときは、「何も起こらない」ってのが哀愁ですね。

 すでにこと細かく分析した人も沢山いるでしょうから詳細は割愛しますが、CGの技術的なスペックや合成の継ぎ目探しをするよりも、なんでその車をそこに描き足したのかを考えると、けっこう面白いです。「よりエキサイティングに」なんて依頼がきたであろう画面で、作者が面白いと思っているレース展開はこっちなんだろうなぁと、ほのかな共感を呼び起こします。あー、私もそこに並んで入る車がいたら、おもぴろいと思うわ。な〜んて、最近つまらなくなったと言われるF1を勝手に空想の世界で盛り上げるには、CGはまさに最適。ちらほら混じる往年の名車は誰が乗ってるときのマシンか、ヒマなときに数えてみるのも楽しいかもしれません。




【予選放送の乗り切り方】

 お次は本題の放映にまいりまして、まずは予選でございます。いかん、いかんですよ。ダイジェストがさらにいかんです。1周タイトラで全員きっちり見られるのかと思ったら、ブラジルの予選2日目はフィジコのアタックをなぜ解説しない。第1セクターの複合は、あの車でオニ・アタックをかけて、奥歯食いしばりまくりの気合いの切り返しが、なんとカッチョ良かったこと。あれは絶品だじょぉ、と思いながら勝手にも1度巻き戻して見た。ビデオだと腹が立たないとゆ〜のは、こゆことでしょね。

 各車のセッティングを見てまいりますと、マクラーレンのビシッと決まったセットには、歯軋りしちゃうわ。ウィリアムズがまだヨタヨタしてるから救われたけど、へら〜りは最高速表示を見るまでもなく、ウィリアムズより遥かに遅い。シューにぃはちと開幕からセッティングを失敗してるわね。まるでいいようにマクラーレンにやられていた年そっくりだわぁ。シューにぃはコントロールによほど自信があるのか、いつもダウンフォースはチームメイトより抜いてくるんだけど、こりわ速さが足りんと思って乗っている証拠だったりする。

 よって予選後に余裕かましているのは、ボクは全力を尽くしたものね=遅いのは車とゆーニュアンスに見えてしまうのだが、セットはしばらくバリ男さんと揃えたほうが良かったんじゃないかなぁ。特にブラジルは良く知ってる人なんだしさ。・・・と上位はいいのだが、ジャガーとルノーを徹底的に写してくれないのも、ブラジルGPの放映では不満でございました。だって何が起きたのか、どこを変えたのか、見たくない? 選手権のゆくえばかり追ってないで、こ〜ゆ〜ところも着目していただかないと、なんだかダラダラ前夜祭を見せられているような気分です。

 そこで予選対策は、まずは徹底的にビデオで研究するのです。速報は最近ネット上でも沢山流してますし、オンタイムで結果だけチェックしたら、あとは録画で十分です。結果を知ってから見る予選というのも、意外な人の活躍やお目当ての選手がどこをしくったのか、あるいはどう上手くいったのかが効率的に分析できるので、分かったような気になれて中々楽しいものです。下位チームでもアタックに出る瞬間くらいは映してくれますから、再生時にはコース図片手に各車がど〜ゆ〜勝負に出てきているか、解説でゆってないところまで重箱の隅をつつきまくって探るのです。

 今年の流行フレーズは「予選2日目の燃料搭載量」であることは間違いないですから、かつてピットイン時のロスタイムばかり注目されてつまらんとお思いになったあ〜たは、車重以外のセッティングの違い、乗れてる人の気合いのアタックにも注目しましょう。1台ずつのアタックになったおかげで、車が速いのか人がスゴイのかは、わりと分かりやすいと思います。ハイドフェルドさんて国際F3000でぶっちぎりだったので、わたくしF1に来たときもかなり期待していたのです。あ〜それなのに・・・、と思ったら。ちゃんと見るとやっぱ上手いですね。ブラジルの予選ではミスも指摘されていましたが、ミスならライコネンさんのほーが圧倒的に多い。でもこりが華とか勢いってやつなんでしょね。

 まぁF1てのは総合戦力ですから、つるりさんはなぜいまだに未勝利なんだろう?なんて哀愁に浸らずに、フェルスタッペンさんもあの車でよくやってるよなぁ・・・なんて思いながら見たほうが、気分は楽しくなりますです。いかんせんエンジンパワーが足りないと、すげーアタックをしてるのに下位に沈んだりしてしまいますが、そこはそれ。わたしゃちゃんと見てるじょぉ、な〜んてお目当ての選手を贔屓目バリバリで観察しましょう。




【キャスター改造講座】

 次に、メインキャスターのお2人。わたくし不勉強なもので、お2人とも存じませんでしたが、レース中は殆どしゃべってないのね。開幕直前に局内所蔵の17年分の録画を死ぬ気で一気見しても、もそっとしゃべれるとは思います。世間の不評も、ひとえにこのスタジオの気まずさにあるのでしょうね。お2人ともF1にはさほど親しんでいなかったであろうことは容易に分かりますが、フジテレビとゆ〜ところは何も知らない人を連れてくるのが、社風なのかもしれません。

 かつて競馬中継に鈴木淑子さんを引っ張り出してきたときも、「2枠2番310円」なんてのを「にわくにばん、さんびゃくじゅーえん」と言ってしまって、おやぢ連中から盛んに突っ込まれておりましたし、「ふたわくふたばん、さんびゃくとーえん」と流れるよーにのたまえるようになると、次なる素人をゲストで投入したりする。つまり「親しみやすさ」を取り違えて意図的にそ〜ゆ〜路線を狙っているなら、F1においても彼等の不勉強さを非難したところで、学習したキャスターはお取り替えの憂き目に遭うことも想像に難くありません。そこでわたくし、まったくもって大きなお世話ですが、みなさまに愛されるキャスターの役割なんかも考えてみました。

 永井大さんとゆーのでしょか。ブラジルGPではセフティカーだらけの展開にあって、先導速度をお聞きになったのはまことによろしいと思います。川井ちゃんの質問箱みたいなコーナーでも、この手の質問は必ず出ます。長年F1を見ている人でも、選手権には詳しくても案外こ〜ゆ〜ところって知らないものなので、着目点はひじょーに良いと思います。テレビを見てるほうだって素人なんだから、ド素人の質問でも恥ずかしがる必要はありません。「えっ、そんなにスピードが出てるんですか?」そうです、そうです、その感想が大事です。

 ただレースファンにも「ほぉ」と思わせるにはもう1つ、「誰が運転してるんですか?」とぜひ突っ込んで頂きたい。こんな質問、亜久里さんや今宮さんだったら、絶対出てこないでしょう。知ってて当たり前なのがプロですし、当たり前のことでも知りたいのが素人で、いきなり専門の解説をされても小難しい言葉の響きだけ耳に残って、「みんな今の説明でホントに分かったの?」なんてドキドキしながら、それを口に出せずに分かったよーな顔をしているのもまた、素人の特徴なのでございます。

 したがってこの場合は、こんな悪路をそんなスピードで走れちゃう人、ここにもう1歩踏み込んで興味を持ってくださると、素人代表としては合格ではないでしょか。セフティカーって、各サーキット所属のコースマーシャルが運転しているワケではないのは、みなさまご存じの通りですが、F1と一緒にラウンドするポルシェ・カップのドライバーが運転してたり、元F1パイロットが運転してたりするので、究極の青田買いや懐かしのあの人の消息が分かったりして、レースファンも満足できる質問になること請け合い。出来ればシーズン序盤にやって頂けると、年間を通じて同じ人が運転してるのか、GPごとに変わるのかも分かって、なおぐ〜でございます。

 もちろんセフティカーだけでは1年持たないですから、ご覧になって気が付いたこと、疑問に思ったことは、その場でバンバン質問してくらさい。そーです、あ〜たの使命は素人代表質問。まるでお茶の間のみなさまの突っ込みや、なんぢゃあれ?が聞こえているかのような間合いを見極めるのです。話術のほうはさほど聞き苦しいところもないし、タイミングさえ掴めれば視聴者と一体になって観戦することも、そんなに遠い夢ではないでしょう。引き続き立派な素人代表になるべく、精進してくださいまし。


 一方、山田優さんとおっしゃるんでしょか。彼女のほうは手厳しい批判が飛んでることは、想像に難くありません。ブラジルGPでは「え〜っ」と「すご〜い」しか、ほぼ声を発しておりません。唯一レース中に会話らしいことをおっしゃったのは、「これは歴史的レースになりますね」でしたが、ケガ人が出たレースで偉業を讚えるような形容詞は、ちと頂けません。わたくしタイム・スリップしてオールナイト・フジを見てるのかと思ってしまいましたが、もっとも彼女が起用された理由もトラクションコントロールの音を聞き分けたり、各チームの変則作戦をいち早く嗅ぎ付けるためではないと思います。ご覧になっているみなさまだって、今宮雅子さん級の解説を期待しているわけではないでしょう。あのキャラで解説陣を完全に食うようなオタッキーぶりを発揮してしまったら、それはそれでやたらに揚げ足を取る人も出現するのではないでしょか。

 そんな彼女にピッタリのお役目は、「徹底的にミーハーして頂く」、これに限ると思います。セナ様ブームの再来を露骨に意識したキャスティングですから、無理に小難しいことを言う必要はありません。あ〜たの崇高な任務は、芸能担当です。伊藤アナウンサーとおっしゃるのでしょうか。実況の方もかなりゴーインに「カッコイイでしょ?」「好みでしょ?」などと持ちかけておりますが、出来れば選手の誰か1人に集中しないで、お顔・ルックス方面はまとめてご担当頂きたい。


 先日も惜しかったですねぇ。彼女にも十分出番があったのに、もそっと選手や著名人のお顔を憶えて頂くと、会話に加われたかもしれません。たとえば、ブラジルGP。実況と右京ちゃんがダラダラ解説を続ける中、ふとパンしたカメラがやけに長く初老の男性を映しています。グラサン姿でピットを闊歩しながら、屋上のホスピタリティブースの知人にでも手を振っていたのでしょうか。あの唐突な国際映像の切り換えと、どう見てもクルーやこれからレースに出る人ではないのに、ハンパに長く映っている男性。映画スターでないことくらいは、彼女にも分かったことでしょう。さよう、エマーソン・フィッティパルディさんでございます。

 ブラジルといえば、ワールド・チャンピオンを過去3人も輩出したお国柄です。しかも右京ちゃん達は、かなり長いことエマーソンさんが映っているのに気付いておりませんでした。あぁ、なんたる大チャンス!

 日常会話ですと、お話は人様の発言が一段落してから。はい、大変良い心掛けですが、ここでは日頃のお行儀良さをちと忘れましょう。元ワールド・チャンピオンが来ているのに、まだ誰も気付いていないんです。解説をかき消して一言「あ、エマーソン!」と叫べば、一気にあなたの株は上がります。ワールド・チャンピオンを3人出したお国といっても、サーキットに現われる可能性があるのは、たったの2名です。もしも間違って「あ、ピケ!」と叫んだところで、あなたの言いたいことは瞬時に伝わり、「あ〜、これはもう1人のチャンピオンのエマーソンのほうですね」なんて、右京ちゃんあたりがフォローしてくれます。

 かように各GPにはその国ゆかりの著名人、引退したF1パイロットなどがやってきますから、彼女にはせっせと有名人チェックをして頂きたい。カメラクルーが発する「来てるんだぞぉ」という信号を嗅ぎ付けられるようになれば、あとは登場しそうな著名人リストをどれだけ速く引っ張り出せるかが、勝負です。

 グランプリによってはバーニーが来ていたり、モズレーがちろっと映るようなこともありますが、もそっと華のあるラブリーな著名人に注目すると好感度が上がると思います。モナコで言えば、「アルバート王子チェック」は外せませんね。フランスなら後藤久美子さんとジャン・アレジさんもお出ましになるかもしれませんし、オーストリアですとガーティさまやニキ・ラウダさんがウロチョロしてる可能性もあります。イギリスもチャンピオンを沢山輩出しているお国柄ですので、著名人の登場には事欠かないです。

 母国グランプリだと、ご家族をお連れになるドライバーも多いので、このあたりも押さえておくと良いですね。ドイツでは民間人のような顔をしてコリーナがそっと混ざっている可能性もありますので、「芸能担当」としてはディフェンディング・チャンピオンの妻も外せないでしょう。イリヤ・ハッキネンさんのように毎回サーキットに同行して、監督より露出度の多い人がいると分かりやすいかもしれませんが、ここでのポイントは視聴者の尊敬を勝ち取ることですので、あえていくらでも映る人は外しましょう。

 さしあたって次のサン・マリノGPで、いきなりヌキで画面に登場しそうな有名人は、もうお分かりですね。なんたって、イモラですものね。お名前なんて「アウトドローモ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ」ですからね。ほほほほほ。



ぜひ立派な芸能担当として、

ルカ貴族社長チェック
を敢行してくらさいまし。


 あ、てほしになる必要はないですからね。コースの歴史なんて憶えなくて結構です。発見したら「きゃー、ルカ社長♪」でも「やっぱカッチョイイですねぇ」でも、第一声はなんでもけっこうです。これから毎日ルカ貴族社長のプロフィールを頭に叩き込んで、ちらほら映るたびに「今回はどの愛車でいらしたんでしょう?」「自家用機でしょうか?」「今日はラルフ・ローレンのカジュアルな装いですね」などと、もぉミーハー全開で解説なんかもさえぎっちゃっておっけーです。川井ちゃん中断がなくなった今、カン高い声が出せるのはあなただけです。目立ちます。響きます。もしもわたくしより先にルカ貴族社長を発見できたら、栄えある「名誉社長ウォッチャー」に任命させて頂きますです。FORZA〜♪

 さて、お2人ともお役目さえ決まってしまえば、解説陣もわざわざ人様の領域を侵害するような発言はしないでしょうし、視聴者やスタジオ内に「そ〜ゆ〜ところに興味があるのだな」と思わせれば、こっちのものです。じつわそんなにミーハーでなくても、もっと色々知っててもい〜んです。新しい職場で円満に働くには、自分のキャラを確立していくことも大事です。ど〜か立派な「素人代表」と「芸能担当」になってくらさい。


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