3-9-2008(Tue.)

スゴイ車に乗りました(その1)

 日曜日のお出掛けで、途中立ち寄ったSAでのこと。隣の枠にスゴイ車が停まってました。

こ〜ゆ〜クルマは撮られ慣れてるから、だいじょびなんですよ。・・・と、わたくし放し飼い根性を発揮して、勝手に近付いて眺める眺める。

 ヒストリックカーのオーナーたるもの、各地で撮影されるのは慣れっこで、お出掛けもそれなりの心構えでと、相場が決まってます。ビンテージ・ベスパ程度でそうなんですから、これだけの名車のオーナーなら見知らぬ人に観察されるのも、一々気にしちゃらんないでしょう。



「タイヤはなんでしょね?」
「イギリス車だからダンロップあたりかな」
「こ〜ゆ〜のはバイアスタイヤ縛りで、案外国産のこともありますよ」
「なるほどねぇ、グッドイヤーとかアメリカものではないでしょね」
「ファルケンだったりして」
「いや、コンチネンタルでど〜だ」
「あ、やられた。んぢゃ、無いと言われたアメモノでグッドリッチでど〜だ!」


はい、グッドリッチでした。言った自分が驚きました。


ワイヤーホイールはお掃除が大変そう・・・な〜んて思うのは私のようなビンボー人だけで、使い込まれた美しさがいっそうの存在感を醸し出しています。


 ゴソゴソ遠巻きに観察していたら、オーナーさんから「こんにちは〜、お好きそうですね」とご挨拶頂いちゃいました。ありゃ、ラッキー。これで堂々と眺められるわん♪



近くで見ると、馬車の面影がそこかしこに残ってて、客室にあたる部分の外装はなんと革張りですよ、革張り。



「ところでこのクルマ、なんだか分かる?」
「いやぁベントレーとしか、型式までは分かりません」

と正直にお返事したら。

「古い車好きそうだし、せっかくだから座ってみませんか?」

えっ!い〜んですか。きゃっほ〜♪

んもぅ、ここぞとばかりに、写真も撮りまくり。うふふ。



こりわベントレーの中でも、3Lツアラーなんですね。高級車に縁のないわたくしごときがなんで分かったかとゆ〜と、メーターに「BENTLEY 3LITER」と書いてあるんですね。親切ですね。時計なんて、あ〜た。スミスですよ、SMITHS。うわぉ。



チョークはもちろん手動でございます。この使い込まれた真鍮の重厚感、いいですねぇ。シフトはシーケンシャルに見えるんですが、もしかして「前進」と「後退」しかなかったりして。いえね、高級欧州車のお約束として、パーツの至るところにロゴが配されているんですけど、「お〜ブレーキペダルにもベントレーのロゴが♪」と覗き込んだときの記憶が、どうも2ペダルだったような。そのあたりの構造にお詳しい方、もしもいらっさいましたら、ビンボー人にご教示くださいませ。



インパネも木製のオールハンドメイドです。メーターもスイッチ類も、それぞれが芸術品のような完成度。あえてコックピットとお呼びしたい内装です。後付けのメーター類は、もちろんレースのためのもの。



レース車の証、消化器もちゃんと搭載しています。この車はミッレミリアにも出場されているそうで、休日の高速走行のみならず、正真正銘のレース車両。



テールも重厚感たっぷり。まるで軍用車のようです。バンパーなんてものは着いてないので、後ろ積みのスペアタイヤは、万が一のときのショックアブソーバーの役目もあるんでしょね。排気はフィッシュテイル? いえいえ、とんでもない。バイクのフィッシュテイルがせいぜい鰹くらいの魚なら、これはさしずめシャチかクジラです。



リフレクター下部のかわいらしい尾灯も特徴的。潜水夫のヘルメットのような球体に、3方向から光が漏れる構造になってます。これだけ車体が大きいと、夜間はこの小さな尾灯が効いてくるような気がします。



サスは板バネだけでなく、独立のダンパーユニットも備えているようです。燃料タンクのキャップも心憎いですね。



 ちょこっと座らせて頂いた感想は、車高はまさに馬車そのもの。でもポジションは現代のスポーツクーペとほぼ同じで、「世界最速のトラック」の異名を冠した逸話も大納得。ともすると展示専用車として屋内に温存されてもおかしくない希少車なのに、こんな名車を飾っておくだけでなく、ちゃんと現役でレース活動させてしまうところが2度感激。さすがは現代のベントレー・ボーイズ、分かってらっしゃいます。「所有するならロールスロイス、乗って楽しむならベントレー」でございます。今さらながらに、走るために生まれた車に感心しました。

 今日びのコンチネンタル・シリーズなどは、「同社で初めて二千万円を割ったお買い得モデル」なんて言ってるくらいですから、いずれにしてもパンピーには手の届かない逸品ですが、思わずお出掛けの目的を忘れそうになるほど嬉しいハプニングでした。SAからは一足お先に出発されましたが、みなさんこの車を見ようと周囲の車線がゆっくりになっていたのも印象的でした。

 午後は別の意味でスゴイ車に乗って、そっちは座っただけでなく・・・あ、ある意味「座っただけ」でもあるんですが(←なんだよ)、久々にコママンガを描いてみたくなったので、到着先のお話はまた次回。



【参考】
これだけの名車なので、さぞやその道の有名人・・・と検索してみたら、アッサリ分かりました。エンスーの杜さんに、丁寧な取材記事が載ってました。車好きの憧れを集結したようなガレージも必見です。


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