6-15-'99

ライフ・イズ・ビューティフル

 人様の日記に触発されて仕事を抜け出し、勢いで銀座に映画を見に行きました。いつも思うのだけど、絶滅収容所と労働収容所の違いが分かっとらんなぁ。ドイツ人役の人々も妙だし・・・と、そもそも「ライフ・イズ・ビューティフル」をホロコーストものだと思い込んでいたのが、完全な間違いでありました。ほのぼの映画として見るには、悪くないと思う。ちとセリフまわしがキツイけど。

 前日の余波で、打ち合わせ中には何度も異空間を旅したのに、軽快なテンポで最後まで睡魔くんが登場しなかったのは良かったな。もちろん「試験によく出るアカデミー賞」としては100点かもしれない。だけどラストの5分は賞捕り狙いで、不自然に付け足したものに違いない。これは原作を読んで、ディレクターズ・カットの登場を待ちたいものだ、と思ったら。ありゃ、原作は書き下ろしの脚本なのねぇ。購入しっぱひ。ロベルト・ベニーニ監督は道化師なのか? う〜ん。サタデーナイト・ライブには1発で合格するだろうね。

 これからご覧になる方のために粗筋は割愛しますが、貧弱な映画観賞歴で形容すると「シンドラーのリストで不完全燃焼したスピルバーグの助手が謀反を起こし、俺だって1人でアカデミー賞くらい捕れるものね、と勇んで自前フィルムの制作に入ったが、主演をロビン・ウィリアムスに断られ、子役はカルキン兄弟の従兄弟を偶然掘り出し、ナチスのエキストラはアグファの工場から借り出し、制作総指揮をジョゼッペ・トルナトーレさんにお願いして、カリフォルニアで撮影したのかな?」と思いました。 ←なんだよ、それ

 全体的にほのぼのタッチで、どギツイえっちシーンがないのは、非常に好感が持てました。温室を使ったワイプは絶品でしたよ。妻役のニコレッタ・ブラスキさんは、ベニーニ夫人なのね。最初はもっと若い人のが良かったのでは?と思ったけど、押さえた気品は素敵だったなぁ。列車の前でドイツ人将校と掛け合うシーンは、おねいちゃんではつとまらないと思う。子役のジョルジオ・カンタリーニくんも、カワイイですね。あとはも少し、トスカーナ地方の描写が見たかったなぁ。ニュー・シネマ・パラダイスみたいな映像を想像していくと、ちょっと情景描写が物足りないかもしれません。

 私が唯一「おお、イタリア映画だぁ」と思ったシーンは、卵を貰った「王子さま」が「名運転手」を呼んだシーンだけ。へっへっへ。今これに反応したのは私だけに違いないと、思わずほくそ笑むルビでしたん。カバリーノなみなさまなら、すぐに分かるに違いない。明日クイズにしよっと*。話をゴーインにへら〜りに戻して、いじょ。「課題映画:ライフ・イズ・ビューティフル」の感想文でした。どちらかというとベニーニさんより、ブラスキさんの方がお顔にしても苗字にしても、イタリア系選ばれし民の末裔かと・・・あ、ハマるから辞めましょう。

 誉めてるのか貶しているのか?ですね。泣けるけどね、ところどころ。痴漢おやぢと戦ってたから、それどころでわなかったけど。くしょー。ふんふん、どうりで「薔薇の名前」のカメラ・アングルと、「ロミオとジュリエット」や「じゃじゃ馬ならし」の衣装に似ているわけだ。

 ちなみに「Life is the Beautiful」とはトロツキーさんの最期のお言葉なんだそうで、私もいつかトロツキーのように言い放ってみたいものだ。食い改めよ、されば汝は太るだろう・・・じゃなくてぇ、去れば難事も笑い事・・・されば何時は今何時?・・・え〜と、時をかけるソバ屋です・・・ご飯時につき、これにて失敬。空腹は最良のスパイスなり。人間お腹が空いていると、辛口になるのよねぇ<違うよ


*名運転手とは「黒い跳ね馬を従えた、天駆ける悪魔」です。これで分からなかったら、ティフォシ失格だじょぉ。答えは30行後、ちゃかちゃん♪































私が字幕を見てほくそ笑んだルビは、「ヌヴォラーリくん」でした。田舎の令嬢にどこぞの王子さまかとカン違いされたものだから、連れをいきなり「うちの優秀な運転手」呼ばわりして、「車をまわしてくれたまへ」とやるんだけど、もちろん車はありまへん。日本語訳された原作も読んでみましたが、まんま「ヌヴォラーリくん」で面白み半減。ありゃ。字幕vs翻訳本、イタリア語の意味を理解していた字幕の勝ち。イギリスなら「マンセルくん」、ドイツなら「シューマッハくん」、日本だったら「星野くん」あたりになるんでしょかね。


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