7-12-2001(Thu.)

The Quick and the Dead

 シャロン・ストーンさんがイメチェンを計りたがって、出演したと言われる女性が主役の西部劇。女性の西部劇と言っても、銃撃戦三昧の内縁のご亭主をはかなげに見守っちゃう「女が見た西部」ではなく、女性がガンマンになっちゃうホントに「女性の西部劇」。ちなみに女性でも「ガンマン」なのか?ちう疑問は、まんま「ガンマン」で良いらしい。

 この映画は淀川さんがまだご存命の頃、テレビで見ました。「ジーン・ハックマンが出てるなら見てみるか」って調子で見始めたのだが、まぁ展開は疲れる。邦題もまんま「クイック・アンド・デッド」で、早撃ち大会での決闘がメインの映画だけに、とにかく気を許すとすぐにバーン。子供の頃一度はスパイものなんかに憧れて、いつ緊急事態が襲ってくるか分からないな〜んて世界に心踊った人でも、きっとこの映画を見終わる頃には奥歯を食いしばり過ぎて、「ふぅ、疲れた」という印象になっているに違いありません。

 そりでも最後まで見てしまうのは、シャロン・ストーンさんが意外と良いのです。この人、やたらにセクシー路線のイメージが先行してしまって、演技ってどんなもんだっけ?と思っていたのだが、フツーに演技したほうが格段に良いのです。でもきっとハリウッドでは「フツーに美人」で、なにか強烈なウリがないと世に出られなかったのだろうな。ま、この映画を見ると、そんな印象に変わります。

 お話はいわゆる西部劇なので、ちゃんと悪役との戦いがあって、気丈に生き抜くヒロインしちゃってます。街で流行っているのは「早撃ち大会」と言えば聞こえがいいけど、無法地帯と化した西部の片隅で半ば退屈しのぎに、実弾でサバイバル・ゲームをやってるようなもん。シャロン・ストーンさんがガンマンになってしまうのは、保安官であった父親を子供の頃に目の前で殺されたから。で、復讐のために「その街」に戻って来るとゆー、そこまで分かりやすい設定にする必要があったのかなぁという疑問も生まれます。どうせやってることは無茶苦茶なんだから、わざわざ説明臭く「父の復讐」を持ち出さなくても、早撃ち自慢で性格にちょっと問題のある、都市部ではまっとうに暮らせそうにない女性でも良いと思うのだが、そこはそれ。

 アメリカ版時代劇としては、海鮮問屋の越後屋と結託しているお代官と正義の名の元に正しく対峙しなくてはいけないわけで、とーぜんこのキャストなら悪代官に相当する「分かりやすい悪役」は、貫禄たっぷりにジーン・ハックマンさんがおやりになってます。この方はいい人の役をやらせても、キレた役をやらせても、しょぼいおやぢでも大統領でもなんでもこなせてしまう人なので、その存在感に圧倒されるかと思いきや、こりが中々どうして。シャロン・ストーンさん、頑張ってます。わたくし後にちゃんとキャストを見るまで、レオナルド・デュカプリオさんが出てたなんて、すっかり忘れておりました。ええ、完全に食われちゃってます。

 そもそもなんでこの映画にレオが?ってことになると、シャロン・ストーンさんのご指名だったそうで、セクシー女優からのイメチェンとしては良かったのかもしれないけど、なんで彼を指名したのかはよく分からん。全くもってミス・キャスト。よく本人が受けたなと思うほど、ええとこナシの青二才って印象でした。別にそ〜ゆ〜役まわりなら、ギャラのぶっ高そうなデュカプリオさんでなくても良いと思うのだが、もしかして彼のネームバリュー+これまた西部劇の必需品である「いいヤツでそこそこモテそうなんだけど、少々考えの足りない青二才」との対比で、ご自分の凛々しさを際だたせようという作戦だったら、シャロン・ストーン恐るべし!と感嘆の声を上げずにいられない映画でもあります。

 なんとなくそれまでの役柄のイメージってのは大きいもので、ただけなげにイメチェンを計る美人女優とゆーよりは、したたかで野心溢れる人であって欲しいと勝手に思ってしまう女優さんでもありました。実際のお人柄はどうだか知らないけど、キャストやストーリーに先入観ナシで見ると、見終わった頃には「カッチョイイ人なんだなぁ」とゆー印象になっていると思います。


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とうがらし@倶楽部冗談






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