1-8-2003(Wed.)

男が女を愛するとき

 これはアンディ・ガルシア命の友達に「騙されたと思って見てみ」と言われて、まんまと騙された映画。後で理由を聞いたら、「内容はともかく、制服姿のガルシアが溜息が出るほどカッチョイイでしょ♪」だそうで、拍子抜けした理由をひどく納得したものです。

 ま、メグ・ライアンさんもカワイイからいっか・・・くらいの印象なんだけど、この人はアメリカ映画界の八千草薫さんですね。どう歳をとるか興味があるなぁと思っていたら、いくつになってもアイドル路線まっしぐら。汚れ役がまぁ似合わないこと。多忙なパイロットの夫に省みてもらえない淋しさから、アル中になってしまう専業主婦って役どころなんだけど、リハビリ・センターに軟禁状態のときも、悲愴感がちと足りません。ただし悲惨なハズの場面でも清潔なカワイらしさが残ってるとゆ〜ことで、前出の友達はこの療養中のメグ・ライアンさんの髪形を完コピしたそうだから、これはこれで世間のお役には立っているよ〜です。映画はリアルならいいってもんじゃなくて、夢を売る商売だしね。

 お話中の家庭を省みない夫とゆっても、日本人の家庭で生まれ育った人なら「別にフツーじゃない?」くらいの印象で、夫ガルシアさんも決して子供や家族に無関心なワケでもなく、パッと見は円満そう。ちうかこっぱずかしいくらい気障なセリフを自分の奥さんに言っちゃったりしております。たぶん日本女性なら、恥ずかしいからやみちくりぃと拒絶するか、アンディならお目目がハートになっちゃうものね♪とコロッとくるか、両極端な印象を持たれそうな夫。ま、よーするに友達は「お目目ハート組」だったワケです。



 この映画は恋愛物だと最初から分かりきっていたのに、薄々騙されると気付いていてもわざわざビデオを借りたのは、同名の曲がどういう風に使われているか知りたかったからなのでした。タイトルもまんま「When a man loves a woman」で、オリジナルはパーシー・スレッジって人の1966年の作品らしい。スタンダード化したポップスの常として、オリジナルよりカバーのが有名です。たぶん一番有名なバージョンはオーティス・レイディングさんのものですが、なんかの拍子に帝王ジェームス・ブラウンさまが歌っているのも、聞いたことがございます。けど、こりが予想どおり暑苦しく朗々と歌い上げていて、どちらもそれほどよろしくない。2人ともわりと好きなアーティストではあるのに、歌詞がいかんのだよ、歌詞が。

 女に振り回されまくって、これ以上情けない男って世の中におるんか?ちうくらい情けないのです。みんなに「あれはやめとけ」と止められた性悪女なのに、その制止を振り切った挙句にまともな友達には愛想を尽かれ、 最後の10セントまで絞り取られても、まだおめでたく騙され続けちゃう。なんでもおごるし、なんでもゆーこと聞くし甘やかし放題。もしも外でズブ濡れになって寝てろと言われても、彼女の言うことなら夜中の雨もへっちゃら・・・。ま、そんな内容なんですわ。なんでそんな歌が好きかとゆ〜と、ベット・ミドラーさまが映画「the ROSE」で切なげに歌ってたシーンが、えも言われぬカッチョ良さだったからなのでした。

 こんな絵に描いたよ〜な軽佻浮薄男でも、それが自分が付き合っていた男を見る女性の歌になると、切なさ倍増、やり切れなさ大爆発で、なんか良いのです。それも申し訳ないけど、絶世の美女が歌ってはダメ。私って、こんなヤツと付き合ってたのぉ・・・と愕然としていると、ホロリともらい泣きしてしまうような、騙され易い男に輪をかけて騙され易いタイプの女子がいいのです。



 さて、映画のほうはと言いますと、ガルシア・ファンのみなさまはありでい〜んでしょか? 制服姿が溜息が出るほどカッチョ良いかどうかは置いといて、わりと歌の歌詞ど〜りに情けないところがあったりするのです。最初は集団カウンセリングをバカにしてたのに、そんなにコロッと変わってい〜のか。この2人って絵になる夫婦なのかもしれないけど、同じ人道的に悩む役どころだったら、やっぱりアンディ・ガルシアさんには「じつわパイロットは表の顔で裏稼業は殺し屋の元締めだったが、妻が知らないうちに義兄を手に掛けていた」なんつー役を期待してしまうので、いつまで経ってもカタギの人間というところにも違和感があったのかもしれません。

 この夫婦はDINKSではないので、子供も2人おるです。妻の異変に気付いていないガルシアさんが家での様子を聞くときに、子供との会話がなんかあまり親子に見えないのですが、これも見ようによっては所帯臭くないガルシアさんがカッチョイイ、という評価になるかもしれん。とゆ〜か、アメリカ人て何が何でも家族第一優先というほどでもなくて、やっぱ家庭に感心のないおとーさんはおるですよ。そういう役どころでもあるんでしょうけど、欧米人て「子供が出来ても夫婦は夫婦」みたいなところがあるから、大人のお出掛けにギャーギャー泣き喚く子供を連れて行くこともないし、子供は早くから1人前扱いするところもあるから、案外ドライな関係だったりする。

 ゆえに老後は孤独な人も多いのだそうで、これも日本人的に考える「孤独」とゆ〜より、孤高に近いものがあったりしますが、それに耐えられない人はアル中になってしまったりする。妻を演じるメグ・ライアンさんは、老後を待たずして孤独と不安にさいなまれてしまう役柄です。日本人的に考えると「家庭の切り盛りは主婦の独壇場」という風習も強いので、子供が小さいうちは淋しいもへったくれもないだろぅと感じられるかもしれません。が、アメリカでは「男は家族を守るもの」ちうのが善良な市民の建前なので、現実とのギャップはかなりありそうな気はする。そ〜ゆ〜雰囲気はよく出てる映画だと思います。

 もう1つ、日本ではパイロットといったらエリート中の超エリートというイメージがありますが、アメリカは山のように国内線も飛び交うお国柄なので、日本とは少々格付けも違います。旅客機のパイロットは、人命を預かる大変な仕事には変わりないですが、そんな大変な仕事の人をこんな安月給で雇っちゃっていいわけ?ちうくらい、厳しい状態のようです。ちなみにコミューターのパイロットの年収は、日本円に直すと200万円を割ってたりします。物価や住宅事情が違うので、日本よりは大きな家で食べ物もいっぱい食べられますが、特権階級には程遠い存在のようです。映画の中のガルシアさんも、会社の方針にはけっこう苦しんでいる役どころです。



 そ〜ゆ〜ちょっと体制に苦しめられて哀愁漂う役なら、ケビン・コスナーさんでも良かった気がしますが、友達にそう言い放ったら「ケビン・コスナーもカッチョイイけど、やっぱりパイロットの制服はアンディ・ガルシアがぶっちぎりよぉ♪」とのたまうので、ミス・キャストとは言い切れないようですが。メグ・ライアンさんがお好きな方は、大酔っ払いで暴挙に出る彼女もカワイク撮れているので、よろしかったらど〜ぞ。・・・って、お好きな人ならとっくに見てるよね。


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倶楽部冗談

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