軽いから

　愉快な話題ではないので、数年来ずっと避けて通っていましたが、検索で見掛けた一文を見て、あえて書いておこうと思いました。

　女性なら（体重が）軽いと言われて嬉しく感じる人は多いと思います。ところがこれがカートになると、誉め言葉ではないんです。むしろ逆。

　ど～ゆ～ときに使うかと言いますと、軽いだけで良いタイムが出る、自分のほうが腕がいいのに軽いから差がない（適わない）、などなど。つまり「ヘタクソ」と言ってるのも同然なんですね。カートをやらない方は、まさかそんな失礼なことを・・・と思われるかもしれませんが、じつわこりカート界では日常茶飯事でして。

　今はもう慣れましたけど、最初の頃は、なんでそんな人を貶す不愉快な言葉を撒き散らすの？とビックリしました。

　いや、そんなことはない。腕が良くて軽いからより速いとゆ～意味で、「軽いから」と言っている。とゆ～方もいらっさるかもしれません。それなら「速い」か「上手い」だけで良いのでは？　少なくとも腕を誉めるのに「軽いから」と言う人はいないですよね。言われて誉められたと感じる人も、１人もいないと思う。

　かくいう私も初めてカートに乗ったその日から言われ続けていますが、たまに良いタイムを出しても「軽いから」しか言われないのは、乗りこなせないジレンマに陥っているときより、辛かったりします。自分は未だに下手なので、言われても仕方ないと思っている部分はありますが、他人様が言われている話でも気持ちが暗くなります。

　体重差の話になると、軽いドライバーは大抵反論せずに黙ります。ウエイトを積めば重い人の疑似体験は出来ますが、軽い人の体験は出来ないのが反論できない理由の１つと思います。

　最大の理由は「あなたは有利でいいですね」と言われて、返事をしたくないから黙るのだとは思いますが、趣味なのに不愉快な思いをガマンし続けるのもおかしなことで、「軽いから」と言われてイヤな気分になる人は体重差を気にする人と同じくらいいるのに、なぜか表立ってあまり話題にならないことでもあります。

　中にはその場で20kg積んで、ウエイト無しの状態と同じタイムで走って「軽いから」と言う人を黙らせた猛者もいるそうですが、こうなってしまうとケンカの売り買いでしかないですよね。だから一切反論しないというドライバーも大勢いると思います。私自身もそうでした。

　カートの基本姿勢は「腕と膝は軽く曲がった状態」と言われますが、ジュニアがものすごくシートを遠くして、腕も足も伸び切った姿勢で寝そべって乗るのは、そうまでしてもリアの荷重を稼ぎたいからで、その姿勢では滑り出したときに腕力では押さえ切れません。腰で曲がる、ステアリングを押さえ付ける等も、十分には出来ません。もちろんリスクを承知であえてリアの面圧を優先するわけですが、「軽ければ軽いほどいい」が当てはまらない一例です。

　こういう展開になると、でも軽いほうが有利な点が多いのだから、そのくらい腕でカバーしろというご意見も出てきます。ある人は、タンデムカートに重い人と軽い人を乗せて走り比べれば、体重差によるリアの挙動の違いが理解できるハズと言いますが、腕力で車を押さえつけて走るタイプの人だと、大差なく感じる気もします。

　結局、理想の体格・体重・筋力の３拍子を持ち合わせた人でない限り、お前のほうが有利と言い出したら、どこまで行っても平行線です。

　今までもネットで体重差の話題は散々見掛けましたが、今日初めて「セットはともかく何より辛いのは速く走っても『軽いから』と言われること」という文章を見つけて、大きく頷いてしまいました。

　初めてウエイトを積んだとき乗りやすくてビックリしたとのご意見も、すご～くよく分かります。私も規定重量に足りなくて常に16kg積んでいましたが、あるときふと思い立って全部ウエイトを外してみたら、安定しない箇所が出来てしまって、特にタイムアップはしなかったです。当たり前ですが、理想の重量はあるんですよね。

　こ～ゆ～お話を書くと、軽い人は鉛を付ける位置が選べるので有利だという意見も必ず出てきますが、そんなわきゃないです。鉛を積んで有利になるなら、1/1000秒を縮めるために大枚叩く人は漏れなく積みます。どのくらいが理想の重量かは筋力抜きでは語れないので割愛しますが、ゼロ発進以外で、本当に軽ければ軽いほど速い＝タイヤに掛かる圧が少なければ少ないほど良いのなら、フォーミュラカーはウィングなんて付けないでしょう。

　スポーツなのになぜ体重差ばかり話題にして、節制の話は出ないんだ？とは、あるレンタルカートコースのオーナーのお言葉。大人のカートは言い訳が面白いとは、カートの大先輩のお言葉。

　どちらを指示するかと言えば、私は趣味の世界なら後者のほうで、人様を傷付けない笑える言い訳は大好きです。それもこれもひっくるめて、趣味のスポーツは曖昧さが良い点でもあるし、私も筋力や体格が足りないことを声高に繰り返したりしないから、体重差の不利な部分だけを強調しないでねん。とゆ～のが本音かな。

　どこのどなたかも分からない検索で見ただけの一文ではありましたが、人様に「軽いから」と言ったところで、自分が速くなるわけでもなし。ましてや人を傷付けイヤな気分にさせることはあっても、言われて愉快な気持ちになる人は１人もいない。と、ちょっとぶつくさ独り言を言いたくなりました。

1-18-2007

上の文章は、自分でも無茶言ってるなぁと感じる部分があるので＜おい、少し補足させてくださいな。

　軽い車が速いことに異論はないんです。理論として、車重とグリップの関係を考えるのは楽しいです。同じエンジンを積んだ70kgそこそこのカートと、100gk近いBirelの035では、構造的な曲がりやすさは別にして、重量的にタイム差が出ると考えるのは当然と思います。

　車が軽いからと言われても面白くないとは思いますが、勝ち負けに絡んだ体重差のお話は、モロに特定の個人のことなので、カンタンに言っちゃえば、楽しくなくなるからやめましょうよってことなんですけど、努力でどうにもならないことは誰しも沢山あって、趣味の世界ならなおさらお互い様とゆ～ことで、平和にやりたいです。軽いからと思うなとは言わない。言うなとも言わない。体重差を気にされる方しかいない場なら、言っても平和だと思います。（その中でも軽い重いは出てくるような気はしますが）

　人様がどう感じるかに指図は出来ないのにあえて書いたのは、聞こえる場所で「軽いから」と言われたほうはわ～い♪という高揚感が一瞬で吹っ飛んでしまうのに、言ったほうはそうは思っていないところが、いたたまれなくなる時があるんです。我ながら、青くておめでたい考えとは思うんですけどね。

　とはいえ、あなたの評判を落とすだけですから、どうかそんなことは言わないでください・・・な～んて聖人君子の清い志で書いたわけじゃありません。いくら悔しくても相手を傷付けるためにわざと言う人がいたら、たぶん一生仲良くなれないので、冷ややかに意識から除外して何も言う気は起きないです。にゃろー、軽い＝全てが有利なワケじゃないんだじょぉ。雨ならど～だ、冬の凍った路面のスタートダッシュはど～だ、うりゃうりゃ～。という気持ちが全くなかったと言えば、ウソになります。いや、大アリです。言われたから言い返しと取られたり、有利な点が多いんだからそれくらいガマンしろ、腕でカバーできることだろ？うりゃうりゃ～。と厳しい反論が出るかもしれないことも、重々予想した上で書きました。

　余談ですが、きっかけになった検索で見つけたブログの主は、全然暗くなってません。体重を増やすためにも日夜筋トレして、早くみんなと同じ条件で走りたい！ともあって、お～、そりでわますます速くなっちゃうじゃん、ガンバレ～♪と微笑ましくなる書き方でした。私の言い分が言い返しと思われたら弁解はしませんが、もしも私が「軽いから」と言われてシュンとなって、それでも何か言わないと場が暗くなりそうで、マズイと感じたらたぶんこういう言い方をします。

腕がないから体重は見逃してください。

サイテーですねぇ～、イヤラシイですねぇ。ほほほ。や～ね、大人って☆＼バキッ
毎度大人げなくて、ど～もすみません。　←子供か年寄りかどっちよ

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