9-10-2004(Fri.)

陰謀のしくみ

 電車通勤しなくなって3年ちょっと経ちました。引っ越すちょっと前に買った本が数冊、ずっと行方不明だったので、先月思わぬところからゴソッと発掘できたのは嬉しい出来事でした。が、だがしかし。私は一体こりをどこで読む気だったんだろー。もちろん自分で買った本なので、どれも自分のツボにハマるものではあるんですが、こりわ間違いなく




電車で読んではいけない本でした。


 含み笑いをかみ殺そうとすればするほど、顔がニヤけてしまうふざけた本のラインナップ。7冊まとめて出てきた手付かずの本のうち、「読むクスリ」とゆ〜豆知識的な品の良いコラム集3冊を除くと、残りの4冊は全部この調子。昨今は回線で印刷原稿の納品なんぞも出来てしまうので、久々に電車で出掛ける用事があって見付けたばかりの本を抱えてウキウキ電車に乗ったら、あ〜た。








ニャントロ星人て、なんだ、おい。


 あー、こんなことなら「読むクスリ」のほ〜にしておけば良かった・・・。か、顔が、顔が、ニヤけるざんすぅ、わはははは。とゆ〜わけで、にわかに本の虫が復活しちゃいました。お題は「陰謀大全」と言いまして、大真面目になにがしかの陰謀を主張する本ではなく、世界に流布している「陰謀」と呼ばれるものを冷ややかに分析している本でございます。買った当初、すでに単行本から文庫本化するまでに数年経っている話題なので、格段目新しい話題ではございません。わたくしがひじょーにツボにハマッたのは、こうした陰謀説がまことしやかに広まる理由でございました。

 かいつまんでお話しますと、まず「陰謀は秘密の匂いがしなくてはいけない」。なぜに秘密の匂いがしなくてはいけないかとゆ〜と、そりわワイワイやってる人たちの前で




チッチッチ。キミたち何も分かっちゃいないねぇ、そりわね・・・


"自分だけが知っているココだけの話"を「へへん」と誇示したい人に最も好まれるネタだからして、そ〜ゆ〜虚栄心があるところには陰謀が入り込みやすく、ネタはどこにでも発生すると。裏を返せば、色々あがいても希望どうりにならないのは、努力ではどうにもならない何か(それが陰謀の核になります)のせいであって、自分の努力が足りないせいではない(と思っているのは本人だけだったりしますが)という論理が陰謀論を生み出す・・・とゆ〜よ〜な内容でありました。

 なんとなくそうではないかと思っていたことがキッパリ明言されると、こみあげる笑いを堪えきれなくなるもので、内緒話(なんてモノは誰かに伝えた瞬間から内緒ではないが)やら陰謀論とゆ〜ものに漠然と「セコさ」「強烈なやっかみ→ゆえになぜか閉鎖的な優越感」を感じていたわたくしは、「陰謀論は自らの責任をすべて放棄できる最大級の責任回避なのだから、セコイに決まってます」な〜んて展開は、笑いが止らなくなるのです。もぉ壊れた笑い袋状態です。



 たとえば、何かを話したときに「知ってる」とつまらなそうに言われたら、それ以上その人とはその話題は繋がらず、「あったよねぇ」「知ってる、知ってる〜ぅ♪」とノッて来た人々とはおバカな話が膨らんだりしますよね。「知ってるよ」という表現には「自分はとっくに知っていた→なにをいまさら→自分のほうがエライ」とゆ〜構図が見え隠れしており、「知ってる、知ってる〜ぅ♪」より発言者の高揚感をくじくものであることに意義を唱える人はいないでしょう。

 先に知っていたとゆ〜だけでなんでエライのかよく分かりませんが、世の中の流行は大半が「遅れてるぅ」「知らないのぉ?」で生み出されていますので、そりが「社会性」とか「人並み」とか、いわゆる人目を気にする「他人がスタンダード」な価値観をくすぐる王道のような気もします。

 あるいは話題の提供そのものが、即「自慢」とゆ〜発想に直結するのかなぁ・・・なんて邪推しとりますが、なんでそりが自慢になるのだ?なんて、わたくしに聞かないでね。分かりまへん。でもこりが「陰謀」の芽になる資質を持ち合わせていることは、想像に難くありません。このばやい「自分だけが知っている」がただのご自慢三昧ならば、少々周りに煙たがられて終わりでしょう。たまに「へ〜え」とか「すご〜い」なんてゆってくれる「いい人」もいるかもしれません。しかし陰謀たるもの、そんな安っぽい威張りんぼで終わってはいけないのれす。

 大体その手のお話って正しく他人のお手柄自慢で、どうせなら「自分はバーニーとマブで、シューマッハの進退くらい自分の口先三寸でどうにでもなる」くらい言い放って頂きたい。あ、たとえがセコイですね。ニャントロ星人には遠く及ばないですね。ところどころ表現も適切ではないですね。たとえバーニーと縁続きでも、選手の進退が動かせたらスポーツとしてマズイですね。え〜と、え〜と、わたくし他力本願寺の住職なのだからして、他力本願は思うツボですので大歓迎ですぅ・・・・・・ダメ?



 ま、つまりですね、陰謀論者たるもの「他人との迎合」にうつつを抜かしてはいけないのれす。「なぜ自分はそこはかとなく人から敬遠されるのだろう?」などと思っているうちは、まだまだです。真の陰謀論者は、他人から理解されなくてこそでございます。いよいよ孤立無縁、四面楚歌、向かうところ敵だけの状態になったとき、「オレだけが知っているぅぅぅ」は絶頂の極みを迎え、もぉ恍惚状態です。そんな激しい疎外感にさいなまれそうな状況で、尚も己の突飛な「ひらめき」を固持し続けられる原動力とは一体なんなんだろー?と考え始めますと、こりわ単なるネタではあるまいかとも思ってしまう。ネタなら人様の思想とされるものを思いっきり笑っても良いわけで、こうした本を自腹で購入する勇気はございませんが、読者層の大多数は笑うために購入しているとしたら、天晴れお笑いの鑑。

 かくして読書の秋は、知人から借りた「ニッポンの誤植」と、無事発掘されたお笑い陰謀論の解説本で、就寝前に1人ゲラゲラしている怪しい夜長と化しとります。


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とうがらし@倶楽部冗談






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