5-20-2002(Mon.)

スパイの世界

 数年前にMI6が新聞に求人広告を出した話は聞いたことがあります。採用条件は「秘密厳守できる人」だそうで、「ピアーズ・ブロスナンは合格だったのか?」なんて冗談も飛び交いました。

 あまりに突飛な情報だったので、荒唐無稽な映画の中のお話と実在の組織とがごっちゃになってしまって、上記の求人広告もエイプリールフールのジョークか、作戦の一環かなんかだと思ってしまった人も多いかもしれません。ええ、わたくしもそうでした。ところがわたくしひょんなことから、MI6にお手紙が出せることに気付いてしまいました。

 とぜーん私書箱をお使いになってますが、所在地をひた隠しにしてることになってるわりには、無防備だなぁという感じ。誰がど〜ゆ〜風に受け取りに行くのかも、ぜひ知りたいものです。マイ・フェア・レディみたいに「今日のお天気は?」なんて暗号と共に、何も知らずに運び屋をやらされちゃってるパン屋の娘さんあたりが登場すると、とってもふさわしくて心躍ります。

 さて、舞台は英国でございます。現在長官をお務めの方は、もちろん貴族。Sir David Spedding(1994年9月就任)とありますから、和訳するとデヴィッド・スペディング卿。初代長官はSir Mansfield Cumming、同じくマンスフィールド・カミング卿でございます。どちらもどっかでうっすら聞いた憶えのあるお名前なので、それらしい役作りに文字って使われたり、なんかの拍子に耳に入ってくる名前だったりするのでしょう。それらしい名前と言えば、なんでアニメの悪役はドイツ系の名前がてんこ盛りなのだ?という話も書いたことがあるけど、こりわ第三帝国の悪いイメージに洗脳されてるからでしょうね。

 ま、ともかく長官は「Sir」なわけですが、こりわ以前に貴族のコーナーにも書いたように、ナイトと凖男爵に使われる敬称。いわば「正しい貴族」ではないわけですが、いまだに厳然とした身分社会が残る英国では、高級将校が平民のワケはないのです。貴族の称号が与えられるのは、世襲制の永代貴族のご嫡男のみと決まってますから、この方々は貴族の家系のご出身で、長子ではないけど自身のご功績で一代貴族であるナイト爵を賜ったであろう人々、なんてことも推測されるわけです。ええ、部下は正しくへりくだり口調でしか話し掛けず、部下には命令口調でしか会話せず、決して目下の人間に「Yes」とは言わない、あの世界ですね。

 ちなみにMI6ちうのは「Military Intelligence 6」、つまり「軍事情報部第6課」とゆー部署なのだそうで、とーぜんの事ながらMI5も4もあるそうだ。警視庁捜査1課とか4課なんて言ってるのと似たようなものなのですね。な〜んだ。軍事情報部でもトップシークレットを扱う、特殊な6人て意味でわないのね。「007」がおる部署だから7人以上はいるハズだろーにぃ、と思うなかれ。「6人」と言いつつ、じつわ「第7の男」がいてですね、それが名を変え姿を変えて世界を暗躍するのだよ・・・ふふふ。ってほうが面白くない?

 実際の軍事情報部職員は2,000人強と見られ、そのうち諜報活動に関わる人間は116人とも言われているらしい。「007つーコードネームなら、少なくとも諜報部員は100人以上はいるんだな?おらおら」ちうかつての疑問は、「そのとーりっ」とゆーことらしい。ありゃ。


 そもそも秘密組織の存在がなんで広く世に知れているのだ?とも思うけど、こりわ日本にも昔は特高なんてものがあったし、CIAや旧KGB、MOSSADなんてのも実在してるのに、胡散臭いことをやってるのは世間では周知の事実というのと同じなのでしょう。だいたい「秘密」という名前がいかん。覗き趣味なみなさまの心をくすぐること、間違いなし。ま、「秘密」という言い回しが妥当かどうかも怪しいところですが、実際のスパイって作り物の世界なんかよりずっと地味で、常に人を欺き疑っていなければならないのだから、大変な仕事だなぁとは思うけど、やってることは映画顔負けだったりして、驚くことも多いです。

 そんな記事を嬉しそうに扱うサイトもありますが、↓ココって初めて見たけど、ゴシップ専門なんでしょか?
http://www.hotwired.co.jp/news/news/2442.html

 「hotwired」って名前がなんだかすでに軽薄ですが、ガセかもしれない名簿のミラーサイトにわざわざ直リンクを張っちゃうあたり、あまりモラルが高いサイトとは言えなそうですね。本国の風刺サイトでは「この件に限り、お得意の攪乱工作をする替わりに躍起になって閉鎖命令を出したから、信憑性が高い」みたいなことまで引用しています。人の口に戸は立てられないと言いますが、人の想像は誰にも止められないから何を考えても仕方ないけど、こりでわスパイ評論としてはお粗末すぎ。

 辞めた人間や外部の人間の手の届くところに、諜報部員のリストがあるわけないでしょー。情報部を甘く見ちゃいかん。もしもホントに機密漏洩して本物のリストが公開されそうなったら、敢えてそれらしくコソコソ感を漂わせながら、隠密に(もちろんどっかからバレるように)もみ消し工作するのも効果的かもしれない。相手が気付く前に、直リンクされた「MI6諜報部員人名録」なるファイルをコッソリ改ざんさせて、さも一大事のように騒ぐとか。そしたら万が一コピーを取られていても、情報部本体にある「オリジナル」と思われているファイルのほうが、傍目には信憑性が高いのではないでしょか。

 ド素人ですらすぐにこれだけ思い付くのだから、人を欺く事に掛けてはプロのみなさまが、あらかじめ予防線を張っていたと考えつかないほうが浅はかよのぅ。人は必ずしも真実のみを語るわけではないのだよ・・・ってお話でしたが、発想はいつものカート場で話題に出た「饅頭コワイ」でございました。してみると「饅頭コワイ」も、謀略ってことなんでしょか。


 お目目直しに、笑えるスパイものもご紹介。いわく「子供のスパイ養成が目的ではない」そうですが、それって米軍基地のある街のサイトで、戦闘機の音声ファイルを写真付きで公開しているのと大差ないと思うのですが。戦闘機マニアには苦情どころか垂涎の代物なのに、やってるほうは本心なのか人気コーナーだから外せないのか、建前は「騒音被害を訴えるために」でございます。ど〜せならCIAも、MI6の求人広告並みに開き直って、「これでキミも立派な諜報部員!」くらいは言い放って欲しいにゃぁ。

CIAの「みんなのスパイ教室」


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