3-6-2003(Thu.)

ハノイロックス

 やっと、やっと、やっと!! 20年ごしで世界一カッチョイイ人に会ってきましたっ!!!

 もぉ、思いっきりテンション高いです。あーーー私の原点て、これだったんだわぁ。すっかり忘れかけていた、タテ乗りぴょんぴょん。いやぁ、良かったわぁ。って、これじゃ何がなんだか分かりませんね。いえね、ハノイロックスのギグに行ってきたのですよ。そもそもギグなんて行くのが10年ちょっとぶりで、ついていけるかしらん・・・な〜んて思っていたのに、そこはそれ。1時間半以上ずっと全開でぴょんぴょんしてましたん。ほほほ。ええ、あえて「ギグ」とゆっちゃいます。オールスタンディングのチッタにしたのは、ホントに大正解でした。彼等のギグは、やっぱりタバコの煙でほの白くくすぶるきわめて不健康そうな空気の中で、ビール片手に大騒ぎが一番似合ってるです。

 思えば私のモータースポーツ大好き人生も、ハードロックと共に幕が明けたようなものでした。他にも好きなバンドや聞きまくったビックネームはいるけど、これだけスタイリッシュで狂いまくってて、それでもカッチョイイ人々は他にいなかったです。ガンズ・アンド・ローゼスも影響を受けたと聞けば、それも大納得。

 わたくし初めてアメリカ西海岸に降り立った年は、ロスアンゼルスの若者はガンズを聞いてないと非国民なのか?と思うほど、ガンズ熱はそれはそれはスゴイものがありました。メルローズ・ストリートという日本で言うと原宿みたいな通りは、どこもかしこもアクセルだらけ。彼等の服装もまたメルローズで全部調達できるのですが、古着や街角に捨てられたボロまでその調子なので、パッと見ガンズ・フリークなのか、ほんまもんのホームレスか区別が着かないほどなんです。おー、あなたもガンズですか・・・なんて目で見ていたら、おもむろに路肩のゴミ箱に頭を突っ込まれて、「あ・・・」みたいな間の悪い思いも何度もしたです。それだけみなさまの崇拝するガンズ    イコール、ハノイでもあったんですが、一歩間違えるととてつもなくダサイ街のならず者的ファッションがカッチョ良く見える人々でもあったので、ファッションでやってるのかと目を細めて見ていたら、生活力の都合でやむをえずやってる人までそれ風に見えてしまう、そんなご時世でもありました。



【2003年のハノイ・ロックス】
 ときは流れて、それからさらに10年ちょっと。憧れのハノイロックスをまさか生で見られる機会が巡ってくるとは、思ってもみませんでした。メジャーデビューから、わずか4年足らずで解散してしまったバンドです。ときおり、「懐かしいなぁ」なんて20年前の絶頂期にイギリスで行われたライブビデオを、「元気が出るビデオ」として見返したりはしてましたが、ここ10年ほどは自分の中で封印をして、モータースポーツと共に記憶の中に埋もれていくもののように思ってました。それが去年の夏に再結成して、サマーソニックに来たというあたりから、再びちろちろ血が騒ぐ思いはしてたです。でも20年という歳月を経て、もぅ見られないんだ・・・と思い込んでいたものが、まさか今になってそれも生で見られるなんて!!!

 わたくし今度の来日の話を聞いたときは、手放しで「行くっっ!行きますぅ!!!」と大騒ぎしたものでした。

 そんな憧れの人マイケル・モンローは、20年前のビックリするほどの美青年から、ちと人間離れしたおどろおどろしいお顔になっちゃってましたけど、それでもふと下を向いたときのお顔や、最前列のぶっとび外人が野次を飛ばしたとき、ちょっと照れ笑いをしたときのお顔ったら、あ〜た。もぉ、どんなに性格悪くても、どんなにブチ切れた生活でも、「一生ついていきますぅ」とお目目ハートでうっとりもんです。オーディエンスの反応にはちゃんとお茶目な受け答えもしてくれるし、スカシてるだけの人でないのもまた、いいのよねぇ。うっとり。それも前日に20年前のライブビデオを見ていたから、さぞやガックリするかと思いきや、不健康そうに痩せこけて大きな目だけギョロリと強調されてしまった表情や、すっかり年月の分だけ増えてしまったシワの数々とか、都合の悪いところは記憶の中の20年前の美貌とすり替えて見られる能力が、どうやらわたくしにはあったらしい。

 とにかく動きがカッチョイイ。ありわ悔しいけど、日本人では絶対できん。それも女子なら、なおさらコピーは出来ないです。だってね、だってね、足をびよ〜んと振り上げるとマイクスタンドひとまたぎなんだじょぉ。いやん、カッチョイ〜イ。でね、でね、とっても男クサくて暴力的かとゆーと、お顔がキレイ過ぎるんですわ、こりがまた。あれでものごっつい容姿だったら、間違いなくヘビメタに分類されているでしょね。あーーー、世の中にこんなにキレイな人がいていいものか。・・・って、だから今はちとコワイんだけどね。

 ご本人は今の顔と昔の顔と、どっちが気に入っているんでしょね。なんとなく、あのオーディエンスを睨み付けるギョロ目は昔の美貌では迫力ないので、今のお顔のほーが自分のイメージには合ってるんではなかろうか?という気もしますが、わたくし誰がなんと言おうと、20年前のマイケル・モンローが世界一カッチョイイと思う。ぽっ。アメリカ西海岸で当時のハードロッカーがみんな手に入れたがっていた、「ストリートのワル」ってイメージをガンズが体現できたとゆーなら、ハノイはその10年前からあのスタイルが確立してるのよね。この辺が「早すぎたバンド」とか言われる所以なんでしょう。すでにどっぷりハードロックに浸っていたわたくしは、早すぎたどころか「なぜもそっと早く出て来なかったぁ」と解散直後に思ったものですが、この手の形容詞がつくバンドのご他聞に漏れず、ハノイも解散後に名声がうなぎ登りになったバンドです。しかもしつこく言うけど、ルックスはぜってーハノイのがカッチョイイ。あ、こりわ個人的な趣味ですけど。



【20年後のオーディエンス】
 そんな遠い昔に浸りながらいよいよ会場入りするときは、ずらっと並んだオーディエンスもスライド式に年齢を重ねた人々と、ガンズから遡ったであろう人々     ヘタするとガンズすら復活後に聞いてたりする人々で、まだら模様になっとりました。あぁ、あなたもハノイがお好きでしたか。今ではすっかり一流どころの中間管理職なのでしょうね・・・という人から、7〜8歳とおぼしき子供までそこはかとなくアウトロウくさい相変わらず落ち着いてなさそうな親子連れまで、じつに様々なオーディエンスでありました。

 そして雑な手荷物検査もそこそこに、小走りにロッカールームへ駆け上がると、いきなり大爆音で「I Fought the Law」がかかったのには、不覚にもうるうる来ました。チッタの皿回しもやるぢゃないか。ココに集結した80年代からしっかりハノイを聞いていたみなさまは、昨年暮れのジョー・ストラマーの訃報に胸を痛めた人も、さぞかし多いことでしょう。あー、これだぁ。帰ってきたぁ。・・・と80年代にぴょんぴょんしていた若気の至り@放し飼いに、心は一気に逆戻り。あーーー、マーシャル3段積みだぁ、正しいレスポールの音だぁ♪ ぴょんぴょん♪



【放し飼い今昔】
 なぜそんなに長いこと自分に封印していたかとゆーと、会社を辞めて独立するからには、10年間は何が何でも食らい付いてやろうと思っていたからなんですよ。「サボリたい、休みたい、眠りたい」は全部寝言と自分に言い聞かせて、ひたすらストイックに生きようとしていたとでも言いましょうか。好きな曲くらいはたまに聞いていましたが、週末はおろか盆暮れでさえ休むなんて考えたこともなく、そのためにずいぶん犠牲も払ったように思います。なんせそんな生活をしていたから、気が付いたら13年くらいが矢のように過ぎ去って、ボロボロになった身体と荷物を運び出してガランとした事務所を目の辺たりにしたときは、一体自分は何をしていたんだろう・・・と全身から力が抜けて、1人で心行くまで泣きたい気分になったものでした。

 そんなとき頭に浮かんで来るのって、なぜか楽しい時代ばかりなんですよね。しばらくハノイロックスも聞いてなかったのに、引っ越しの荷物が片付いた頃、ふと自分で「元気の出るビデオ」と命名していたロンドンのライブ・ビデオを見てみたくなったんです。ちと今の気分には過激すぎるかなぁな〜んて思ったら、いいんですよ、これが。やっぱり元気が一番だなぁ、安心しきってぐっすり眠れたのも、じつに何年ぶりのことだろうと。まだ駆け出しで何もかも必死だった頃によく見ていたビデオなので、あの頃のパワーが少しだけ取り戻せたような気がして、きっとあれはあれで間違ってなかったんだなぁなんて、ちょっと優しい気持ちになれたりしました。

 パフォーマンスとしてのバイオレンスの象徴のように言われているハノイを見て、そんな心温まるお話を思い出す人はあまりいないでしょうけど、ステージ上の薔薇の花のタペストリーや開演前から大騒ぎの外人部隊を見ていたら、折りに触れて元気を分けてもらっていた彼等のイメージは、膨れ上がる一方です。もぉオープニングと同時に片手に持ったハイネケンももどかしく、前方でダイブする外人や隣で何度も「カッコイ〜イ!わはははは♪」と絶叫するおねーさまに混じって、にわか若気の至り全開です。ふふふ。足なんて踏まれたって気にしちゃいけません。ココではみんな、お互いさまです。ごーごー、ぴょんぴょん。

 息つく間もなく往年のヒットソングと新譜を折り混ぜ、「ダサイMCだったら喋らなくていいじょぉ」な〜んて心配するまでもなく、あのドライブ感は健在でした。オープニングの2〜3曲だけ、大人しい日本のオーディエンスと連日の二日酔でちと声にも伸びがない感じでしたが、尻上がりに調子が出てきてアンコールでは総立ちの大合唱! オールスタンディングなんだから「総立ち」ってのは当たり前なんですが、静かに立ってる人がいないってことね。でもって今回の目からウロコは、バラードが始まったとたんに振り上げた拳の代わりに、携帯を宙高くかざす人の多いこと多いこと。入口の手荷物検査がえらく雑だった理由が、なんとなく分かったような気がします。ま、あの程度の検査なら、タバコの箱くらいのデジカメなら持ち込めそうだけどね。

 1つだけ淋しかったのは、「Don't You Ever Leave」のギターソロがシングルになってしまったことかな。それまでは、「あ〜サム・ヤッファはいないのね、ナスティ・スーサイドも、あぁラズールもいないんだわぁ」なんて思わなかったのに、あの曲だけは絶妙なツインリードのギターのが良かったのだけど、でもでも私にはそのビデオがあるんだー。うち帰ったらもう1回見たるぅー。と、どこまでも鼻息の荒い放し飼い。ほほほ。最近になってハノイの存在に気が付いた人、ガンズから遡って見始めた人、そのガンズもさらに遡って見た人、みんなカッチョイイと思ってくれたかな。オリジナル・メンバーは2人になっちゃったけど、私にはあの頃と変わらずカッチョイイ人達に見えましたよ。


 今回、貴重なライブにお誘いくださったサカイさん、本当にどうもありがとうございました。ぺこり。翌日は1日中むちゃむちゃハイテンションで、加えてちと両足が筋肉痛だったことをこっそり申し沿えておきます。


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倶楽部冗談

とうがらし@倶楽部冗談






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