9-11-2003(Thu.)

バック転ウサギ

 先月からやたらにウサギづいているわたくしですが、今月はもう1つウサギにまつわるイベントがありました。暗い話題の多かった「911」も、今年は風流に名月を楽しみたいものです。

 お月見はご存じのとおり古来中国から伝わったもので、横浜中華街も中秋節には色とりどりの月餅であふれます。春節の頃にいらしたお客さまが、またナイスなタイミングでやってくるので、久々に異国のお月見ムードを味わえるのも楽しみです。残念ながら中華街にはお月見にふさわしい高楼はなく、数少ないオープンエアーのお店も西を向いたり北を向いたりで、名月を愛でながら優雅に晩ご飯というわけにはいきません。都市部で暮らす人間には、満月が昇る頃にはまだビルの一室で仕事をしていたり、ようやく建物の影から現れた月を眺めようと思っても、すでに天空高く昇った後だったなんてこともしばしばです。窓も、たまたま東を向いていれば良いけれど、自分の部屋からでは月の出を見られない方も多いでしょう。ところがわたくし、月齢カレンダーを見ていてふと気が付きました。



 月齢というのはピッタリでないことが多いですよね。今年の十五夜も、月齢は14.4歳でした。これも整数価の近似値で、小数点以下は四捨五入しているのかと思いきや、さにあらず。夏休みの宿題で、新聞を毎日チェックしていた頃のおぼろげな記憶を辿っても、満月とゆ〜のは月齢で15歳を越えることがないのです。ど〜ゆ〜コトかと言いますと、月齢って一晩中同じではないのですね。考えてみたら当たり前で、次の日になったら急にポンと月が満ち欠けするわけではなく、暦の上での月齢はおそらく月の出のときの状態なのでしょう。してみれば「満月」と名付けた日に、出た瞬間にもう欠け始めていてはマズイわけで、月が見えている時間帯に真ん丸になる日が満月ということになります。


 ちなみに今年の十五夜は、横浜で月の出18:32、月の入は6:27。南中は12日未明の1:07、望は1:36となっています。「望(ぼう)」というのは「まんまるの月」、つまり正真正銘の十五夜です。江戸時代に庶民にも広まった、高楼で夜通し宴を繰り広げるお月見の習慣も、正しい十五夜を見るためには良い企画だったのですね。毎日終電と戦いながらお仕事なさっている方も、最寄り駅に降り立ったときにふと空を眺めると、ちょうど頃合は「正しい満月」になっていると思えば、気持ちがほんのり華やぐのではないでしょうか。


 もう1つ、住宅地で満月を見るには、格好の時間帯があります。みなさま、明け方の満月をご覧になったことがあるでしょうか。昇るときには薄桃色に上気しているお月さまですが、朝の満月は白々と明けゆく空とあいまって青白く清楚な趣で、はかなげに消えてゆく姿は中々美しいものです。今は5時くらいから朝焼けが始まる季節なので、住宅地では6時前くらいに見えなくなるでしょうか。頑張って少し早起きすれば、5時半くらいから西の空の手頃な高さに満月が見えると思います。月のウサちゃんは、沈むときにはバック転しちゃってますが、あの半透明で神秘的な月は少々眠くても見てみたいです。ヤマザキの流通品より4〜5倍はあろうかという、1個でお腹いっぱいな中華街の巨大月餅も、夜中に食べるよりは朝起きてから食べたほうが、身体には良さそうですしね。


【参考資料】Moon Calenderさん、月と季節の暦 さん





9-17-2003(Wed.)追記
月齢の数え方

 ちゃんと調べてみたら、月齢の数え方が判明しました。

 辞書を引いてみると、月齢とわ「ある時期より前に起こった朔(さく)から、1日を単位として数えるもの」とあります。なんだかカンタンなことを難しくゆってる気がしないでもないですが、つまり「新月から次の新月まで」を1サイクルとして、同じラウンドの加齢は1日単位になるんです。ど〜ゆ〜ことかと申しますと、月の出は1日で50分前後遅くなってゆくので、新月の瞬間も毎月違うんですね。

 で、月齢には小数点以下のハンパがついてしまうのですが、毎日定時を基準にしているなら1月の間に端数も加齢していくハズですが、さにあらず。こりわ新月の日のみ定時で割り出して、次の新月までは同じ端数で通すと。要はそりが「1日単位で加算する」とゆ〜習慣のよ〜です。ちなみに新聞発表の月齢と国立天文台発表の暦では少々ズレがありますが、計算してみたらちょうど9時間の違いがあったので、国立天文台の「21時」を基準にさかのぼると、新聞発表のものは「正午の月齢」でありました。どの時間で計算するかは特に決まりはないよ〜で、新月の瞬間から後の定時であれば、何時を基準にしても良いみたいです。こりが「ある時期より前に起こった〜」とゆ〜、分かったよ〜な分からないよ〜な説明になるのですね。

 知らなくても生きてはゆけることですが、「月齢は月の出のときの状態なのではあるまいか?」と書いてしまったので、気になったものですから。

 もう1つ月にまつわるお話で、素敵な話題を耳にしました。昼の月に魅せられた画家や写真家は多いですが、日本の洋画家の草分け的存在である牛島憲之さんもそのお1人だったそうで、しかも地元や都内の美術館で作品が見られることが分かって、ちょっと行ってみたくなりました。月そのものを題材にした作品ではないですが、「裾野富士」のように色々な人が描いている富士山をあ〜ゆ〜形で表現したり、なるほどと思わせる柔らかいタッチは妙に惹かれるものがあります。学生時代にはピンと来なかった方なのに、月ばかりでなく自分も加齢すると好みも変わるものなんですね。


▲MENU ▼BACK



倶楽部冗談

とうがらし@倶楽部冗談






SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送