6-29-2002(Sat.)

カミカゼ

 右京ちゃんがフランス時代に「カミカゼ」とあだ名され、F1時代はカッチョイイ名前のように連呼していたアナウンサーに、ちと違うなぁと思ったことがある。去年の秋頃はアメリカのテロ騒ぎで、一時期別の意味でも「KAMIKAZE Attack」という言葉が飛び交ったけど、レースで「カミカゼ」と言ったら普通は崇高な意味合いは微塵もなく、「ムキになると停れないところまで全開で突っ込んで来る人」「体当たり攻撃をしてくる人」という、「速い」とか「上手い」という評価からは縁遠い形容詞である。むしろ「一緒にコースに入りたくない危険人物」という意味合いが強く、「理性がない人」「根本的にレースの本質を理解できない人」という蔑称だったりする。



 私のホームコースのサイトに、こんな一文が載った。

 今回エキスパートは素晴らしいレースでした。参加者全員がモータースポーツを理解しフェアな戦いをし、全力を出し切り、悔いの無いレースが出来たと思います。しかしアップルスプリントレースは、初心者向けレースと言う事もあり、ドライビングが精いっぱいで余裕が無い事も分かりますが、プッシング、接触等で実力も出せない場面が多数見受けられました。サッカーのラフプレーと全く一緒です。モータースポーツは審判が一緒に走ってはいないので、分からないと思いがちですが、しっかり見てますよ。ドライビングに自信がついたら早目にエキスパートの本当のレースに出場してください。アップルスプリントレースは練習レースです。


 たまたま仕事の依頼もあって、社長が頭を抱えている様子もちらとお聞きしてしまったのだが、とうとうコース側も来月から制裁措置に踏み切るらしい。その言い分は、慣れてないクラスの人が停れないのではなく、慣れているクラスのほうが車をぶつけ壊すし、毎回ぶつける人は同じで、しかも罪悪感すら感じられないから、やむを得ずレース周回数を減らす方針にするとのこと。相変わらず自爆しても後続に知らせもしないで、いきなりライン上に降りてしまって、もがいている車もちらほら見えた。・・・は。お怒りごもっともとしか言い様がないのだが、例外・手加減は一切ナシで徹底してペナルティを取るとか、強化するならそっち方面でも少し何とかならんのだろーか。なんだか関係ない人まで連帯責任を取らされているようで釈然としなかったけど、確かに先日のレースはビジターさんからのクレームが多かった。

 クレームというよりは、傍から見ていた人の言葉を漏れ聞いただけなので、レース的に言うと「クレーム」ではなくて「ブーイング」なのだが、前方で接触があったのに減速もしないで、なぜそこまで前の車をコース外に押し出さなくてはいけないのか理解に苦しむ、停れなかったとか行き場がなくなったでは説明のつかない、いわゆる「カミカゼ・アタック」も確かにあった。数人の人が「あれは、酷すぎるな」と言ったのを聞いてコースを見たときは、すでにタイヤバリアの内側まで前車を押し出した後だったが、そのときの観戦者の発言には、申し訳ないような情けないような気持ちになった。いわく・・・


「あの人、前のときも全開で人に当ててるよね?」

「あ〜ゆ〜ヤツに限って、必ず『逃げ場がなかった』って言うんだよな」

「あれだけコース幅がある場所で、そ〜ゆ〜言い訳はないでしょう」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「このクラスで、『停れなかった』ってのは確信犯だろぉ」

「なんで失格にしないんだろ」

「次にやられたら、俺が跳ね飛ばしてやる」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」



 コ、コワくて会話に入れん。

 せっかく新たにいらした人々なので、お話してみようかと思ったけど、明らかに憤慨しているので、結局「どうでしたかぁ?」な〜んて脳天気に声を掛けるのは遠慮しといた。カミカゼ・アタックに怒りを憶えるなら、仕返しはカミカゼ攻撃ではマズイと思うけど、まぁ全開で突っ込まれたら確かに頭には来るんですよね。ど〜らいぶ、ど〜らいぶ、きゃっほー、きゃっほー♪から、休日の昂揚感が一気にしぼんでしまって、時間が許すならレース後に気分直しのレンタル走行の1〜2本でも入れないと、どこか収まらない気持ちにもなる。コースが強行策に出ると言い出したのも、そんな怒りの発言が耳に入ったからでしょうけど、そうすると、ただレンタルに乗るよりも周回数的にオトクかな?と思って参加していた私には、おいしいところが無くなってしまう。

 先日のレースで言えばなにぶんウェットのレースにつき、問題になったレースもみなさまコース貸し出しのカッパを着込んでいるので、誰が誰かもよく分からない。コースの人間も見てたかもしれないけど、私より遥かに誰が誰だか判別出来ているビジターさんに妙に感心して、「神は見ている」どころか参加者が一番よく見ているのだなぁと、改めて思い知らされた出来事でもありました。ただカミカゼ・アタックをしているほうは、そんなブーイングをされているとも知らずに走っているであろう状況が、ちとやり切れない思いにもなったんですけどね。



 「なぜ失格にしない?」については、自分がやられたらそう思うかもしれないけど、そこかしこで自爆スピンやら接触があるので、こりわマーシャルを2〜3倍に増やさないと、「全部の違反は取りきれない」とゆーのも、あながち言い訳とも言えないように思います。筋から言ったら、たとえコース上に残る車が半数以下になろうと、徹底的にペナルティを取りまくるのが正しいんでしょうけど、そこまでやれるかどうかは営業面での目論見もあるだろうから、外野がカンタンに言える話でもない。自爆スピンも含めて、危険行為には手厳しい気骨のあるコースもあるにはあるけど、商業的に成功しているかというと、それほど大にぎわいというほどでもないのが、レンタルコースの泣き所なのでしょう。

 コース側の言い分の、「ベテランのレースを見習え」と言いたい気持ちも分からなくはないけど、カミカゼはどこへ行っても嫌われる。ベテランのみなさまも、休みの日に自分が爽快感を味わいたくて来ているだけなのだから、カミカゼの教育をしろというのも酷な気がする。ましてや同じカテゴリーで歓迎されるか?ということで考えたら、誰にとっても決して嬉しい話ではないと思う。エキスパートはさらに垣根を高くして、どんなにタイムアップしても危険行為が多い人は、絶対エキスパート認定しないというお考えも聞いた。それだったらエキスパート枠の出場資格を与えるかどうかで、制限したほうがい〜んぢゃないかなぁ。誰でも歓迎と謡った場所で、締め出しは出来ないでしょう。自分が「荒れるレースが嫌だったら頑張ってステップアップして、荒れないレースに混ぜてもらえるように努力しないと」という考えだったからか、同じように考えて努力してステップアップした人がいたら、せっかくカミカゼの世界を抜け出したのに、また強制的に混ぜられてしまうのも気の毒すぎると思う。

 私はまた中途半端な位置にいて、ベテラン組のエキスパートでもないし、このところ「勝ってこーい」とプレッシャーを掛けられたレースを3戦続けて落としているので、何を言える立場でもないのですが、言ってみればゴタゴタには極力関わり合いになりたくないと思っている、小市民的な存在とでも言いましょうか。コース側の参加者への思惑や希望を聞いてしまったこともあって、次回からの参戦はほぼ考えから外れてしまったのだが、願わくば早くトゲトゲしい空気を一掃して、レースの正常化を心からお祈りする次第です、はい。


つい:自分のほうが速い車に乗っていると分かっていれば、 ―そりわどれだけ前が近付いてくるかですぐに分かることなのですが― 全開で突っ込んだ人の言う「停れなかった」や「逃げ場がなかった」は、ただの言い逃れだというのは誰にでも分かる。そこで「なぜ引かない?」という怒りの発言や、揉め事も何度か見た。けどそれに返ってくるお答えは、たいてい水掛け論。「停れなかった」や「逃げ場がなかった」を繰り返されて、凍った空気だけが残ることもしばしば。だがしかし。わたくし、先日の「他人がスタンダード」に続いて、ひどく感動したお言葉あるのれす。

 ぶつかるかぶつからないかは後ろの人にしか分からないから、まぁフツーはぶつかりそうなのに減速しないのは、明らかに後ろがおかしい。「行き場がなくなったらまずブレーキ」ということさえ出来てない人、と言われても仕方ない。でも下がって立て直すとかクロスの応酬という概念がない人に、「なぜ引かない」とまともに言ってしまうと、「抜かれそうで悔しかったから、下がれと言っているんだろう」という詭弁で言い返されたら、余計頭に来るだけだと思うのです。でもですね、そりで「逃げ場がない」を許してはいけないと思うのですよ。だって減速さえすればぶつからないと思ったから、怒ったのでしょう。それには「下がれ」でわなくて、「逃げ場は後ろにいくらでもある」とゆー言い方のほうが、効き目はありまへんか?

 もっともこりも、「レース」というものをどう捉えているかの違いで、相手がぶつけることを「仕方ないこと」としか思ってなかったら、まるで通じない甚だ心許ない作戦ではあります。そもそも人の車を借りているのに、ぶつけても許されると思っていること自体異常ではあるけど、んでわ自分の車ならぶつけても良いのかとゆーと、それもまた話が違う。ま、でも少なくとも「レースはひたすら前にしか進まないもの」とカン違いしてるだけだったら、100回に1回くらいは通じるのではないでしょか。そのばやいは「逃げ場がなかった」に対して怒りをあらわにするのでわなく、サラッと平常心で「後ろにも?」と言ってみると、より効果的な気がします。毎度100回全滅よりは良いかと思うのれすが、ダメ? 私は根本的に認識が違い過ぎると思ったら意識から遮断してしまうので、使うことはないと思いますが<おいっ

#いつも含蓄のあるお言葉を、ありまとーございます。ぺこり。


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とうがらし@倶楽部冗談






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